モーリスの作品情報・感想・評価

「モーリス」に投稿された感想・評価

あの時代には犯罪者になりうる行為。安定した生活を送りたい人にとっては愛を投げ捨てる方を選ぶかもしれない。クライヴの考えもわかるが、モーリスの苦悶は見てて心が痛む。

クライヴもラストの方で、モーリスへの気持ち、忘れることができなかったんだなと思った。
ボート乗り場でのシーンは良かった。きっとこういう2人が時代を変えていくのかな。。

原作も読みたい。

このレビューはネタバレを含みます

やられた。どストライク。

同性愛ものはいくつか見たけれど、一番リアリティがあったのと、作品が目指すところが明確だったので非常に観やすかった。
CMBYNは幻想的で少女漫画のような甘酸っぱさ、ブエノスアイレス(とムーンライト)は説明のつかない腐れ縁。どの作品も個々の魅力が詰まっていて大好きだけど、モーリスは特に二人の関係とそれを取り巻くイギリス社会・時代背景が丁寧に組み込まれていて良かった。キャロルと似てる。もちろん、イギリスの上流階級の社交界や映像美も最高。

かつてはモーリスを愛したが後に妻を娶るクライヴとどうしても男色を止められないモーリス。CMBYNがひと夏の恋に対して、モーリスでは学生から大人になるまでの時間の経過があって、社会に適応する側としない側が対立する形になっている。と言っても、どちらかが成功し、どちらかが滅ぶみたいなドラマチックさはなくて、友人に変わってしまってそれぞれの道を歩む後も、元恋人同士ゆえにお互い気にかけ合うあの絶妙な雰囲気が出ていた。(超良かったのに具体的なシーンが全然出てこない。ぜ、全部良かってことかな......😋)

それから、同性愛者と分かると友人であっても途端に冷たくなり、社会から締め出される様子が印象に残っている。あの時代は本当にタブー視されていたと思うと時代は変わるな~としみじみ。同性愛を病気だと感じて自身の異常さを恐れたり、催眠療法を試したりするモーリスの姿は他作品にはない独自のもので、ここに強い説得力を感じた。

あと記しておきたいことといえば、ヒューグラントがイケメン過ぎたことと、男性ヌードが過去最多だったこと。女性ヌードはたくさんあるのに、男の全裸ってあんまり観たことない。なんでだろ?笑
saki

sakiの感想・評価

4.5
性別なんて関係ないんだよ
最後に窓際でモーリスとの思い出を振り返るクライヴの視線が切ないです。 溜息の出るような風景も〇。
m

mの感想・評価

3.9
東京遠征から帰る寸前、縁あって急遽滞在をのばした。
そのおかげでモーリス〈4Kデジタル〉鑑賞。
公開から30年以上経って、観る意義ありあり。今年のCMBYNと併せて語る上映だろうけど、魅力がまるで違う。

モーリスは「差別意識」「女性蔑視」「階級制度」が如実にみえ、今の世の空気では考えられないほどヒドい。ただその障壁が危うさや血の匂いを保っていて素晴らしい。
CMBYNの障壁のなさ(あえてそう書く)が二人の世界系になったのとは対照的。

原作者が同じでCMBYNチームはモーリス観まくったんだろな。カットやモチーフ(本や窓)、展開の一部もオマージュだった。参考文献程度と思ってたから結構ビックリ。

どっちを先に観たか 世代によって感じる部分が変わりそう。
上映時間140分、長い
けーな

けーなの感想・評価

3.7
同性愛の作品は、あまり得意ではないのだが、今作では、主人公の苦悩する姿がとても切なく、胸を打つ作品だった。

同性愛が罪だと見なされていた20世紀初頭のイギリスが舞台となっている。ストーリー以外にも、当時の上流階級の暮らしぶりや、ケンブリッジ大の学生達の様子を見ることができて、嬉しい。

タイトルの「モーリス」とは、主人公の名前。モーリスの苦悩する姿をジェームズ・ウィルビーが見事に演じている。相手役は、若きヒュー・グラント。とても美しかった。さらに、重要な役目の、猟場番を演じたルパート・グレイブスが、とても巧い。妖しい魅力が伝わってきた。また、労働者階級の話し方をして、上流者階級のモーリスと対比させている点も見事だった。

監督のジェームズ・アイヴォリーは、英文学作品を監督することが多い。今作は、「眺めのいい部屋」「ハワーズ・エンド」と同じく、E.M.フォースターが原作。ちなみに、ジェームズ・アイヴォリーも、E.M.フォースターも、同性愛者である。

今作は、「眺めのいい部屋」の翌年に製作されたが、「眺めのいい部屋」で主役だったヘレナ・ボナム=カーターが、今作で、ちょこっと出演しているのに、最初、気づかなかった。(クリケットの試合のシーン)

今作で、モーリスの2番目の相手役アレックを演じるルパート・グレイブスは、「眺めのいい部屋」で、ヘレナ・ボナム=カーターの弟役を演じていたが、その時は、溌剌とした明るい青年を演じていたので、当然、今回と雰囲気が違ったので、驚いた。

今では、すっかりラブコメの帝王となっているヒュー・グラントだが、今作が、ほぼデビュー作で、美しくも苦悩する役柄を演じていて、見事だった。ラストの表情が必見。
2049

2049の感想・評価

4.5
コテコテのイングランド。
ヒューグラントかっけえ。
KICCO

KICCOの感想・評価

4.0
うーん。これは『君の名前で僕を呼んで』に深く繋がりますよね。ま、脚本同じ人なんで。

よかったけど好みではない。

この一言に尽きてしまいます。ごめんなさい。
美しすぎるBLものはあまり好みではなあので今作も「なるほど」とおもいながら観ていました。まぁ、時代を考えると結末はみえていますしLGBT映画史においての『モーリス』の位置を考えれば納得です。
まだ同性愛が罪だった1910年代のイギリスでの話。若き頃のヒューグラントの美しさ!あんな目で見られたら男でも女でも虜になるだろうさ。最後モーリスとクライヴがそれぞれに選んだ道が何とも言えない余韻を残した。せつなくて美しい。
ぐち

ぐちの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

狩猟番のことを最後までメインキャラだと思ってなかったことに私の全ての敗因があると思った…いや完全に私の見方の問題なんだけど…

モーリスと狩猟番に関しては、学生時代の思い出を抱えたまま1人で大人になってしまって拗れた坊ちゃんの童貞処女が一番心が弱ってるときに毛色の変わったのに激しく求められて初体験を捧げてしまい(しかも初恋の相手のいる屋敷でその使用人と)限界まで拗らした、、
っていう身もふたもない見方をしてたのでラストでエッ、あ、そういう!?ってなってしまったのだ…モーリスにとって狩猟番は弱ってるときにコロッといっちゃった一時の相手か、クライヴの身代わりくらいにしか思ってないのかなーって感じて見てたので…まさか真実の愛だったとは。ほんとすまんかった。

せめて狩猟番がもっと序盤で目立っててくれたら…
モーリス視点で見るかクライヴ視点で見るか客観視するかでけっこう見えかた変わりそうな映画…いやタイトル通りモーリス視点にどっぷり浸かって見ろよって話なんだけど。そうじゃないとなかなか作者の意図通りに見れないかも。

でも原作者が「せめてフィクションの中では禁じられた思いが成就してほしい」という願いに貫かれたラストは、作品の書かれた時代背景から考えても切実で切なくて美しい。重要で素晴らしい作品だと思う。
モーリスとクライヴの対比も、自分の気持ちに素直になって思いを貫いたものが幸せを掴むっていうのは夢があるし作者の強い思いを感じる。
同性愛を扱った映画で、悲劇的な結末でもなく矯正された末の『社会的に正しいハッピーエンド』でもなく心中などのメリーバッドエンドでもないというのは、現在の映画と合わせても稀有なのではないだろうか。
彼らの未来は決して明るいだけじゃない。けどもしかしたらあの後上手くいくかもしれない。あそこで終わることで映画としては彼らの関係を肯定しあの時代に出来うる限りのハッピーエンドを用意した。そういう点で力強い意思に満ちた映画だと思う。
庶民から王室にあがったシンデレラはその後幸せになったかはわからない。けど物語はめでたしめでたしで幕を閉じ、読者は希望を胸に抱いて本を閉じる。
そういったお伽話のような印象を受けるラストだった。
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