HarukaFukuda

バーバーのHarukaFukudaのレビュー・感想・評価

バーバー(2001年製作の映画)
3.5
IGで勧められて、まだ観ていなかったコーエン作品鑑賞。

妻の不倫やうまい儲け話、可愛い教え子、淡々とする毎日。それらに疲れた50年代の主人公をビリー・ボブ・ソーンドンがうまく演じている。彼の温度感がとてもいいなあと思ってしまった。

あいかわらずの乾いた感じがさすが。コーエンらしい皮肉さやユーモアあまりなく淡々と破滅に向かっていく男の話だが、でもきっかけというか主軸にくるのが「ドライクリーニング」というのはやっぱりコーエンならではのセンスなのかも。
時代背景にも即していて、ちょこちょこ時事ニュースを盛り込んでいるところも面白かったな。

とくに印象的だったのは、中盤で「バーバー」で主人公が少年の髪を刈るシーン。淡々とした彼の毎日を映しだすワンカットではあるが、「なぜ髪は伸び続けるのか」というあまりにも当たり前で唐突な言葉を口にする。
その言葉が、どこかこれから螺旋階段のように続いていく彼の悲劇を物語っているようで残るシーンだったなあ。

モノクロ鑑賞がおすすめです。