広島カップ

ドラキュラの広島カップのレビュー・感想・評価

ドラキュラ(1992年製作の映画)
3.5
ロンドンから遥か遠く離れた、ここは地の果てアルジェリア...ではなくトランシルヴァニアに棲むドラキュラ伯爵が霧の都ロンドンにやって来て即ストリートでナンパに成功する物語。(嘘です)

間寛平ちゃんのような「血ィ吸うたろか」的な単純なドラキュラではなく愛する妻の非業の死に接して神を逆恨みして以来、永遠に生き続け女の生き血を求めることになったドラキュラの側面を強調して描かれているので彼に同情したくもなりますが、妻を深く愛しているのに顔がソックリな別の女を愛してしまうというドラキュラは本妻への愛を貫けない軟派な奴としても描かれており、意思が弱いという点ではシンパシーも感じてしまいます。

それにしても寛平ちゃん..じゃなかったドラキュラ伯爵を演ったゲイリー・オールドマンの怪演ぶり。
チャーチルを演った時のような良く出来たドラキュラ変身マスク(正面から見たら源氏パイみたい)を被って嬉々としているように見えます。
被り物好きという点だけでいえばビートたけしと似ています。

石岡瑛子の衣装が素晴らしく、コッポラの色彩美術と共に独特でダークな19世紀の世界を作り上げていてドラキュラ映画の中では格調高くて出色です。
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