カラン

ドラキュラのカランのレビュー・感想・評価

ドラキュラ(1992年製作の映画)
5.0
純愛というジャンルに賭けられているものとは何だろう?

デビットリンチという監督は純愛だと思う。『ワイルドアットハート』は完璧な純愛だ。

純愛は、惜しみなく捧げ、惜しみなく享受する愛だろう。好きだからこそ譲るなどという脆弱な倫理は、とっくに超えていなければならない。何しろ純愛なのだ、愛以外に何かが混ざっているべきでない。

純愛は、たとえ身を焼かれることになっても、差し貫こうとする恋だろう。うぶで、うまく言葉を並べられないだけの恋を純愛というべきではない。純愛は、子供向けの恋の物語とは違うのだ。

コッポラのドラキュラ伯爵は、最後まで美しい。エンドロールが退屈な映画は数多くあるが、この作品は妖しい色調の中で、"Love Song for a Vampire"が歌われる。

その伯爵が「時の海を越えて愛する」恋人役はウィノナライダー。『獄門島』の大原麗子のように、可憐で美しい。たぶんウィノナが一番美しかった瞬間の作品だ。
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