内田吐夢監督作、やっぱりセットや衣装、色遣いが素晴らしい。
でも主演2人がそれにそぐわず、綺麗でないので、イマイチ前半のめり込めないのが難点。
痣にキスするシーンは流石に良い。
ただ、水谷八重子にハマる片岡知恵蔵がよくわからない。
いくらなんでもヒロインにもう少しエロさや可愛さが欲しい。
野心や意地の悪さばかり感じられる。
主演2人が、もう少し綺麗目ならかなり面白かったかも。
映画的には、嘘でもそうして欲しかった。
吉原の宿屋夫婦の嫌な人ぶりが素晴らしい。
最後、逃げ惑うシーン、カメラが上から2人を捉えてるのが斬新。
太夫になっても結局、吉原の門から、社会システムから抜け出せない、門の前で閉ざされるヒロイン。
更に最後、カメラが引いて桜が散るシーン、最高だ。
こんなに凄いラストシーンは中々無い。
歌舞伎から時代劇への流れ、ある種の型の美しさがラストシーンに昇華されている。
でも、ヒロインは最後、出来たら顔に傷を付けて欲しかった。
主人公と同じ痣の位置に。
そうなったらもっとドラマティックだった。
にしても浪速の恋の物語もそうだったが、内田吐夢監督は拝金主義が相当お嫌いなのかな。
それともドラマにしやすいからこういう設定を扱ってるのかな。