ゆず

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国のゆずのレビュー・感想・評価

3.7
つまらないとされている第4作目だけど、それでも一定以上の面白さが担保されてるのがハリウッドクオリティ。
蛇、猿、蟻、昔の女、生意気な若者、老いた主人公…。果ては文字通りの三段オチまで見せてくれる。しかも1作目だか2作目だかのオマージュとして。
問題はストーリーのSF要素なのかな。私もそこが引っかからないでもないが、でも考えてみればこれまでも霊的な力を描いたこともあるシリーズである。オカルトはよくてSFはダメというのもよくわからない。
加えて監督のスピルバーグも製作総指揮のルーカスも、SFとアドベンチャーを融合させた作品を撮ってきた人たちなので、アドベンチャーの金字塔のこのシリーズがSFとコラボしたって全然OKだと思う。

最大の問題は、この映画が公開された同じ年に、現存するクリスタル・スカル(水晶髑髏)は偽物でありオーパーツなんかではないということが明かされてしまったことかもしれない。(この映画がきっかけになったのだろうか?)
それまでは「継ぎ目がまったくなく、古代の技術では不可能」とされていた水晶髑髏だが、電子顕微鏡で調べたら切断痕があったという身も蓋もない事実が今からほんの10年前にようやくわかるのである。
だから水晶髑髏は今では全然SF要素なんかではないのだが、本作ではもうすっかり全部SFの手に委ねてしまってるのが面白い。
いやむしろ、水晶髑髏をSFと結びつけることができたのはこの2008年までなのだから、本作は最後の最後の瞬間まで夢を見続けた映画なのかもしれない。
映画は夢の実現装置でもある。



12/23 インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 録画吹替
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