子供の持つイマジネーションと残酷さと純粋さ。時に危うく、生と死の表裏一体な感覚。グロテスクな突拍子もない物語は、子供が作り出した脈絡のない話のようでもあるし、彼女が見た夢のようでも、ファンタジーのようでもある。
不思議な、悪趣味で残酷な世界観で、アリスが自由気ままに彷徨っていく。危うげだが時に生命力にあふれ、少女の不思議な魅力が映されている。
また、子供達の紡ぐ繋がりのない物語のような展開が、今作の肝だと思う。そこに意味やメッセージ性はなく、不思議な感覚になるが、どこか中毒性もある魅力のある映画だった。