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細雪 ささめゆきのUCOCOのレビュー・感想・評価

細雪 ささめゆき(1983年製作の映画)
4.5
最高だった!!!!
白黒のNo.1は『黒い十人の女』。そして、カラーのNo.1はこの『細雪』!!と、言っても過言ではないほどに良い作品だった。

以下、諸事情により私作成の紹介文にて。。

細雪は1983年、市川崑監督が当時68歳でメガホンを取った作品です。
原作は谷崎潤一郎による同名の長編小説で、本作が3度目の映画化となりました。
また、本作ではその原作に監督自身と日高真也が絶妙な脚色を施しています。そのため原作を読んで比較したり、他の2作品の映画作品と見比べるのも面白いかもしれません。
撮影は「金田一少年」シリーズで広く知られる長谷川清が手懸けています。
舞台は昭和13年の兵庫県芦屋市です。旧家である蒔岡の四姉妹、長女・鶴子と次女・幸子はまだ未婚の三女・雪子と四女・妙子の結婚を気遣って日々を過ごしていました。姉たちが次々と連れてくるお見合い相手と何度も顔合わせを繰り返すとにかくおとなしい性格の雪子に対して、妙子は自分の相手は自分で決めなければ気が済まない自由恋愛主義。
その2人は果たしてどんな行く末となるのか、また鶴子と幸子を取り巻く環境の変化など1年間の四季折々の変化の中、蒔岡の家族はどうやって形を変えていくのでしょうか。
映画が始まると、冒頭から桜が咲き乱れる春爛漫の景色の中をこの物語の中軸をなす四姉妹が散歩するシーンがあります。私はその時点で既に、市川崑監督の卓越されたセンスに魅了されてはこの作品の虜となってしまいました。
どの場面を切り取っても、構図や証明など細部への拘りがひしひしと感じられ、まるで絵画ように美しく作り上げられた画面構成。そして、それを彩る四姉妹たちの鮮やかで豪華なお着物。市川崑が撮る雪月風花の古き良き日本風景も併せて『細雪』をお楽しみいただきたいです。
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