英題は「The Makioka Sisters」。世界の名作名画を扱う米Voyage社のクライテリオン・コレクションからBlu-rayが出ているほどの名作。
なのだが、冒頭、登場人物の関西弁(船場言葉)に引っ掛かり、次に他人の呼び掛けに引っかかる(こいさんとか、ごりょうんさんとか、きあんちゃんとかね)。後者はネットを漁ってようやく解決。
原作の数年間の物語を一年に凝縮したことがまず良かった。何も起こらないような家族の悲喜こもごもが作品のリズムとなってとても心地良かった。
この作品の吉永小百合はちょっと凄いですよね。
ちょっと馬鹿なんじゃないかと思われる危険があるくらい何も語らず、美しくそこにいるだけ。そんな彼女の変化がとても面白かった。
ものの本によれば、監督は和服姿のエロティシズムを現すのに、胸元の合わせを少し緩めたそうです。意識して観てみると、確かに普通の和服の着方より緩い気がします。
本当にこの作品が完成したのは奇跡というか、あと数年製作が遅かったらもう作るのは不可能になったかもしれないと思います。
今この四姉妹を演じる女優さんがいない。当時ですら原作よりかなり年齢高めでキャスティングされてるのに。今、年齢幅を広めに見積もっても思い付く女優さんがいない。
とても心地いいお話でした。
ただ音楽はちょっと違うかなあ?
今原作読んでます。
ラストはすっかり石坂浩二になりきってじんわり。
NHKBSプレミアム(16.11.21録画)にて。16.12.03
2016#132