Omizu

細雪 ささめゆきのOmizuのレビュー・感想・評価

細雪 ささめゆき(1983年製作の映画)
4.5
【1983年キネマ旬報ベストテン 第2位】
桜の中を四姉妹が歩くところでなんか音楽のセンスも相まって美しすぎて泣いてしまった。

人物のアップを多用して視線を強調する演出も効果的だったし、カット割りもすごく凝っていた。例えば序盤の石坂浩二と吉永小百合の怪しいシーンの撮り方とかすごい。

長女と次女の言い合いもなんかおかしくって。格調高い中に上品なユーモアやスリリングさも程よくあって素晴らしい。

岸恵子と吉永小百合、石坂浩二がすごくいい。特に吉永小百合は今まで見たなかで一番いい吉永小百合だった。

何考えてるのか分からない不気味な感じが合っている。

描かれるのは本家と分家(とは言っても長女側と次女側というだけなんだけど)の間のお家騒動なんだけど、四姉妹それぞれの生き方、考え方を通して時代や家族というものを考えさせられるのがすごい。これはもちろん原作の力もあると思うけど市川崑監督の演出の手腕も相当あると思う。いやー、流石!

他の二作も観てみなきゃと思えるくらい素晴らしい作品でした。
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