ペイン

細雪 ささめゆきのペインのレビュー・感想・評価

細雪 ささめゆき(1983年製作の映画)
4.0
“世界のイチコン”改め市川崑監督が1983年に撮った4姉妹映画。

近年の作品でいうと
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』や『海街diary』のような作品と言えば解りやすいでしょうか。

本作の前にも2作品“細雪”は作られていますが、本作が世界的にも最も評価が高いでしょう。

まず冒頭、オープニングロールでの“絶景”という他ない4姉妹と石坂浩二の5人と共に捉えられた桜の花見シーンの見事さ。決して長くはないこのシーンに市川崑監督は1週間費やしたそう。本当に美しい旋律も相まって涙が出そうになる。


ただ、題材的にこれは『若草物語』もそうなんですが、正直私はあまり美しい四季の風景が織り成す詩的情緒溢れる裕福な人たちの優雅な生活みたいなのには興味はないんです。ただ本作はきらびやかな女優たちのアンサンブルであったり、衣装であったり、1つ1つの描写が突き抜けているのでつい見いってしまう。


そして吉永小百合は、本当に昔から“吉永小百合”だなぁと(笑)彼女が演じる三女の雪子は一見4姉妹の中で一番おとなしく清楚な感じであるが、時折発する一言が鋭く実は一番魔性の女でもある。

ともあれいつの時代も家族や姉妹間の抱える問題は同じ。そりゃ、70年代の荒れたニューヨークとかが写されるような映画の方が好きですけど本作のような清らかな作品もたまには良いなと思いました。
ペイン

ペイン