COZY922

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンのCOZY922のレビュー・感想・評価

4.0
ここまでくれば芸術!大胆にして鮮やかで華麗なる詐欺の手口。もちろん犯罪には違いないけど、その頭の良さ、手際、そしてこれほどのことを16〜21歳という若さでやってのけた行動力と強心臓ぶりに感嘆してしまった。

冒頭、オープニングタイトルのデザインがセンス良過ぎて目が釘付けに。これだけで良作の予感。1960年代に世界各地で小切手偽造事件を起こした天才詐欺師フランク・W・アバグネイルと彼を追うFBI捜査官の壮大な追いかけっこの実話。このフランクときたら、パンナムのパイロット、医師、弁護士などのプロフェッショナルに見事になりすますわ、手の込んだ偽造小切手を切りまくるわで、世界各地を回り数百万ドルを荒稼ぎとやりたい放題!

未成年がパイロットや医者になりすまして よくもまあバレなかったなぁと思うけど、彼のコミュニケーション力もさることながら、パンナムの制服や医師免許がそれだけ世間の目を欺く力を持っていたということだろう。人がいかに肩書きや身なりに騙されやすいかということの実例を突き付けられているよう。騙される側の心理的な隙をよく知っているとも言える。

殺人と違って血生臭さが無く、手口は巧妙、主たる被害者は銀行や航空会社で貧しい個人ではないこと、更にリズミカルでテンポのいい展開もあいまって、おもしろいエンタメ作品になっていると思う。

この映画のもう一つの顔は家族を求める青年のヒューマンドラマ。これがとても良かった。そもそも詐欺のきっかけは父親の事業失敗と両親の離婚。尊敬してやまない父のために何かしたかったのだろう。フランクを駆り立てていたのは温かく幸せな家族との時間を取り戻したいという気持ち。婚約者の父親に全てを打ち明けようとするシーンやクリスマスにカール(FBI捜査官)に電話するシーンは、温かな愛や人との繋がりに飢えた彼の心が露わになる場面でとても切ない。

そして最後に予想しなかった展開。フランクとカールがまるで父と息子のように見えた。いやぁ、FBIも ある意味 ぶっ飛んでてスゴイわ。天才詐欺師の物語の着地点の意外性と爽快さに乾杯。