Punisher田中

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンのPunisher田中のレビュー・感想・評価

4.2
「ヤンキースが強い理由はなんだと思う?」

裕福な家庭で生まれたフランクは、幸せな日々を満喫していた。
しかしある日、父親の事業が失敗した挙句、脱税容疑をかけられたことで貧しい生活へと一変。
さらには、母親の浮気に両親の離婚で、当時16歳のフランクには心の整理がつかず、逃げ出してしまうのだった。
16歳の子供が1人で生きていけるか?
普通の16歳なら無理かもしれないが、フランクには父親譲りの回転が速く、優れた頭脳があった。
そこでフランクは、パイロットになりすまして偽造小切手を発行する大胆な手口に出るのだった...!?

悪なんだけど悪じゃない、優しい作品。
詐欺師になり、罪を重ねていくフランクとフランクを追い詰めていくFBIのカール、2人の男の追いかけっこがメインな今作。
幸せを一度経験したからこそ、幸せに憧れてしまったフランクの未熟ながらも、純粋な思いがひしひしと伝わってきた。
脱税容疑をかけられた父に対して「パパが失った物を取り戻す」といったような内容の手紙を書いていた時には、フランクに感情移入してしまっていた。
物語が進むごとに明らかになるフランクの家族観や純粋さや、芯の強さは、なんだか憎めず、気づけばフランクを応援してしまう。
また、フランクを追うカールもかなり良いキャラをしている。
「罪を憎んで人を憎まず」を体現したような性格であり、恐らくフランクのことを1番気にかけていた人物だと感じた。

また、天才詐欺師・フランクを通して嘘の恐怖をしっかりと教えてくれる。
嘘をつき過ぎた挙句、真実を言っても信じてもらえないこと。気づけば、自分を偽り過ぎて、自分の正体を知っている人がいない為、本当の自分で話せる話し相手が誰もいない。
嘘が作り出す孤独の恐怖を描くのが上手かった。
しかし、なんだかんだで素晴らしいラストまで突っ走ってくれる今作は観賞者をスッキリさせるに違いない。
また、序盤からよく出る台詞「ヤンキースが強い理由はなんだと思う?」の答えがラストで明かされるシーンも必見だ。
きっとこの作品が1番に伝えたかったものは「正直に生きろ」ということだろう。
ついて良い嘘もあるけど、恥ずかしくたって正直に堂々と生きていこう。