猫脳髄

宗方姉妹の猫脳髄のレビュー・感想・評価

宗方姉妹(1950年製作の映画)
3.4
タイトルは「むねかたきょうだい」。小津が大佛次郎の連載小説を新東宝で撮影した変わり種。正直、小津はこういう男女のウェットなストーリーは不得意と言うか、向いていないと感じる。いかにも頼まれ仕事という風采で、脚本(filmarksでは野田高梧の単独脚本になっているが小津との共作の間違い)からして全編にわたって当を得ず、ちぐはぐな感じが否めない。

高峰秀子も小津モノにしては元気が良すぎるし、えらいメンヘラな役でハラハラする。少しばかりの気のきいたセリフと高杉早苗の民藝調のモダンな自宅など多少見どころがあるシーンはあるものの、取り立てて、というほどではない(12/37/54)。

※ハッとしたけど、この映画電車のシーンがないね。だから性急でコロコロ場面転換する感じがあるのかな。いやあったかな?ちょっと備忘録。

※新東宝だからか撮影監督が厚田雄春じゃないのか。なんか小津「風」なのはそこが大きいかも。
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