takanoひねもすのたり

パーフェクトブルーのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.5
あなた、誰なの?

再鑑賞、今敏監督作のサイコスリラー。

虚と現の境目が歪んで、観ているこちらもグラグラ。

ヒロインの霧越未麻がアイドルグループから脱退し女優へ転身したことを契機に、もろもろの事件が起こるのだけど、主格をヒロイン視点に置いているため、彼女のメンタルが崩壊しかかっている過程を追う展開ゆえに、何度観ても、ちゃんと騙されるというか、現実と幻覚との混じり具合が巧み。

監督作の『妄想代理人』『パプリカ』大友克洋さん監修のオムニバスアニメ『MEMORIES』の中の森本晃司監督作『彼女の想いで(脚本・設定が今監督)』に共通する、彼岸と此岸(本当は違うけど肌触りはそんな感じ)が交じりあうという、個人的に性癖ど真ん中なテーマ。

久しぶりに観て、あーやっぱり好きだわー、としみじみしたのでした。

有名な話ですが(監督自身も述べている)ダーレン・アロノフスキー監督の『レクレイム・フォー・ドリーム』にこの作品のオマージュがちらちらあり。

こちらを観たら、そちらもおすすめ。
(こっちも鬱い作品です、個人的には大好き)