寝ろ君

パーフェクトブルーの寝ろ君のレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.8
何度も観てますが…初レビュー

90年代国産アニメということで、かなり間口の狭い本作かと思いますが、驚くなかれ『レクイエム・フォー・ドリーム』や『ブラック・スワン』など、ハリウッド作品にも強い影響を与えた素晴らしい作品です。

アイドルグループの一員として活動していた主人公・霧越未麻は、その演技力を買われて脱退、単身女優の道へ進む。
慣れない仕事、ストーカー、不可解な事件が身の回りに起きていく中で、彼女は彼女自身を見失い始め…

日本のサイコ・スリラーってこうなるよね、という予定調和から大きく外れていくシナリオはラストにかけて急転直下。
二転三転どころでないその転がりは、アニメならではの視覚的なインパクトとともに観客を揺さぶることでしょう。セルを使い回して同じシーンを使えるという利点をこれ以上ないほど活かして、演出の妙とする手腕は圧巻です。
カット、構成に一つも捨てがなく、常に映画的な美しさがあります。

いつまでも大好きな作品です。
ぜひ一度ご鑑賞あれ!
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