こたつむり

パーフェクトブルーのこたつむりのレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
3.3
2015年初見。
江口寿史御大によるキャラクターデザインなのですが、画面を観る限りでは「やるドラ」を思い出した本作品。しかし、「やるドラ」は1998年発売ですから、こちらの方が先でありましたな。失礼。

※やるドラ…初代プレイステーションをプラットフォームとして発売されたアドベンチャーゲームのシリーズ名。作品名は「ダブルキャスト」や「季節を抱きしめて」など。

本作品はサイコサスペンスであり、ストーカーとか、二重人格とか、現実と妄想が区別できない状態とかが出てきますが、公開当時にアニメでこういう分野の作品はあまり見かけなかったかと思います。エヴァンゲリオンが一大旋風を巻き起こした後ですから、まあ、全く無かったわけではないと思いますが。それでも、十分に先駆者と言えることでしょう。

しかし、2015年現在で初見の場合、物足りなく感じるのも事実。サイコサスペンスという分野は日進月歩で新しい刺激を提供しているのです。そして、それに慣れていく観客と製作者。あー、人間ってこうやってエスカレーションしていくんですね。何だかやな感じです。

まあ、それでも、そんな自分の指標を調べるためだけでも本作品を観る価値があるかもしれません。

観終えた後に「うひゃあ、こういう刺激強いの無理無理無理ッ!」なんて仰るようでしたら、まだまだ純真な心を残されているかもしれません。いつまでもそんな素敵なあなたでいてください。

「なんだよ、全然物足りないよ。犯人もすぐ判るしさ。もっと血を!臓物を!」と仰るようでしたら…。うん。まあ、ねえ。そういうこともありますよね。うん。

ちなみに僕は…うん。まあ。人生いろいろですよ。うん。
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