ずけし67

パーフェクトブルーのずけし67のレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.5
前から見たかったこの映画。
地方のTSUTAYAにゃ置いてないので、リクエストお取り寄せサービス使ってようやく届きましたよ。(じらし過ぎですよTSUTAYAさん!)

で、この映画、20年近くも昔のアニメなんだけども、いやいやどーして、サイコスリラーの王道行ってるっぽい。
タマゲルとは聞いていたけれど、実際タマゲタ、そんな印象なのであります。

ストーリーとしては、アイドルから女優へ転向した主人公がストーカーに狙われ始め、さらに周りの関係者が次々と殺害されていくという事件まで起き始める。
そういった周囲で巻き起こる殺人事件のショックや、また女優として成功するためにレイプシーンやヘアヌード撮影など、自分の意志に反した仕事もこなさなければならないという精神的そして肉体的にも追い詰める葛藤や苦悩から、現実逃避的な妄想や夢とも現実ともつかない世界へと、映画見ている側も一緒に引きずり込んでいくといった展開です。

だいぶ昔のアニメ作品なので、正直、映像も登場するキャラも古臭いんですけど、それが逆に当時のアイドル事情の実際を想像させるし、またレイプシーンやグロい殺人描写など血生臭い雰囲気も当時の邦画アニメとしては " 頑張ったで賞 " をあげても良いのではないかなってレベルで、冒頭でも書いたとおり、これ本当サイコスリラーの王道を行ってるなあって感じです。

特に終盤からラストにかけての畳みかけるような夢と現実の波状攻撃と、ひねりとパンチの効いた結末と、そして最後の主人公のセリフでとどめを刺さすって感じで(←このシーン、見所です)、最近の下手なホラー映画よかこっちのほうが断然怖さを味わえるんじゃないかと思ったのでした。

ちょっとだけ、いや半分くらい不純な動機で借りてみたら、いやいやどーしてサイコスリラーとしてバッチリ楽しめる作品で、良い意味で期待を裏切られた映画なのでした。
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