ron

パーフェクトブルーのronのネタバレレビュー・内容・結末

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ハァァァァ良すぎ。アニメにしかできないことを追求した果て、だと、思うし、超現実的な心理描写が的確すぎてわたしもみまちゃんじゃん…ってなってしまう。

みまとるみちゃんどちらにとっても歌手になることは「夢」だった。極度に幻想化された、人に「夢」を与えるCHARMとしてのみまちゃんはみまが光として、るみちゃんが影としてギリギリに均衡を保ったまま形作られていた。しかしこれはみまにとっての現実であっても、るみちゃんにとっては夢の中だったのかもしれない。(るみちゃんが執拗に目を狩るのは、起きたくない+現実の自分を認めなくないから?)

まみちゃんがトラックに轢かれそうになってから観ている「夢」もるみちゃんがトラックに轢かれそうになってから観ている「夢」(これ最後トラックのライトをステージライトに見立てた時戦慄した。最初のみまちゃんステージと全く同じ角度でトラックて…悪趣味すぎる最高)も、むしろどっちが現実かなんてだれもわからない。

現実なんてものは所詮演技なんだよ、夢なんだよ!!と畳み掛けられた後しなやかに女優として(人々の見る「夢」を使いこなして)現実を生き続けるみまに拍手喝采。最後の「あたしが本物なんだから」っていう台詞は、もしかしたら、みまはるみちゃんのことぜんぶぜんぶ知っていたのかもな…むしろわたしたち観客さえも「みまちゃん」に騙されていたのかも。メディアは女性を「ちゃん付け」することで対象を「愛でるもの」=「自分より下位のもの」とすると授業でやったけれど、みまは最初からるみ「ちゃん」って呼んでたよな………
ron

ron