これはやばい。やばすぎる。今敏監督作品初鑑賞。
人気アイドルのメンバーだった女の子が女優に転身してからの悪夢のような日々を描いている作品なのですが、現実と妄想が入り交じってもう何が何だか分からないまま物語にぐんぐんと引き込まれていって、作品を観ている時は時の流れが物凄く速く感じました。画面から目が離せなかったです。
清純派アイドルだった霧越未麻に来た仕事はドラマのセリフが一言だけだったり、ストリッパー役で大勢の男性客の前でのレイプされるシーン、週刊誌でのフルヌードなどアイドル時代とはかけ離れた仕事ばかり。そんな過酷な仕事でも笑顔でこなしていくもののだんだんと精神のバランスが壊れていき、アイドルだった頃の昔の自分が見えるようになっていく。
最近ファイトクラブを見たこともあって、こういう自分vs自分というテーマには新しさは感じませんがストーリーがとにかくリアルで怖いんですね、異常なまでのストーカーに監視されて狙われる。まずこのストーカーの男が本当に気持ち悪くてぞっとするんです。やがて殺人事件が自分の周辺で起こっていく中で犯人が誰なのか、もしかして自分なのではないか、今見ている景色は本物なのか全てが信じられなくなっていって。ドラマなのか夢なのか現実なのか妄想なのか？
ラストは最初は？だったけど彼女の最後のセリフを繰り返すとぞっとする。本編の内容とは裏腹にやけに明るいエンディングも不気味でした。今敏監督が鬼才と言われる理由、多く監督が影響を受けている理由が分かったような気がします。
でも何だろう…中学生の時に初めてエヴァのTVシリーズを見た時と同じような気持ちが今私を襲っていて、何だか物凄く衝撃を受けています。10代の自分が見てたらもっと昂ぶってたと思う。鬱映画であることは間違いないし、観ても明るい気持ちにならない。でもだめだもう一度見たい。この映画めちゃくちゃ好きです。しばらくこの感じ抜けそうにないな。
