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宇宙怪獣ガメラのHKのレビュー・感想・評価

宇宙怪獣ガメラ(1980年製作の映画)
1.0
ガメラ映画シリーズ第8作目。監督は湯浅正明。キャストはマッハ文朱、小島八重子、小松蓉子、前田晃一などなど

宇宙海賊船のザノン号が地球を侵略しようと大量に怪獣を送り込んできた。地球には特殊能力を持つ異星人女性3人がいるが、変身すると敵のレーダーに探知されて思うように行動できない。そんな時、亀が好きな男の子の圭一君が親に言われて飼っていた亀を捨ててしまった。飼ってた亀がガメラになることを夢見ていた圭一君だが、それが現実のものに。

昭和ガメラのシリーズ最終作。スターウォーズなりこち亀しかり、宇宙戦艦ヤマトしかり銀河鉄道999しかり、いろんなところからオマージュしたりタイアップしたり…

しかし!! なんという流用映像の使いまわし!却って素晴らしいわ!!ガメラ対バイラスが傑作に見えるほどだわ!!

まあ、70年代ぐらいから80年代にかけて邦画そのものが斜陽期に突入して、特撮もその枠に入ってもう駄目だということで、あまり金をかけずに撮ったらこうなったと…しかし、新しく撮った所も、マッハ文朱さんの体を張ったアクションが見れて良かったと思っていました。

しかしね…ガメラを殺すってね…ネタバレアリでもいいでしょこんな作品。いくら何でも最後の最後で鉄腕アトムのオマージュをしなくても(;´д`)トホホ

しかし、少年の夢と現実の区別が本当に途中から分からなくなってね。どこからが夢でどこからが現実か分からないという展開にはちょっとばかり頭を悩ましましたね。

つまり、この作品はあれです。

「パーフェクトブルー」です。

いずれにせよ、この作品でガメラ映画全作品鑑賞達成!!

最後にガメラ映画全体の総括したいと思います。

東宝でゴジラが誕生してから、東映や松竹などでも様々な怪獣特撮が散発してはすぐに廃れていった中、唯一大映から作られたこのガメラだけが、生き残り、ゴジラと肩を並べるほどの素晴らしい怪獣映画シリーズとなったとなると本当に素晴らしいと思いましたね!

昭和ガメラはそれまでのゴジラが象徴的なものであったのに対し、生物的アプローチとヒーローとしてのアプローチをして子供向けにシフトチェンジすることで見事にゴジラと差別化を果たして成功したのだと思いましたね。作品の出来は良い物から悪い物までピンからキリまでありますが、人々の工夫された作戦と失敗、そこからピンチに駆けつけてくれるガメラという構図が本当に素晴らしいと思いました。

平成ガメラは、金子修介監督と樋口真嗣特技監督のもと、それまでの昭和ガメラと一線を画すスタイリッシュな造形とさらに生物的に追及したアプローチで、SF的にもオカルト的にも本当にクオリティーの高い作品になったと思います。90年代のエヴァブームにものった世界系にも通ずる終末感の漂うこの作風も魅力的でとても素晴らしいと思いましたね。ガメラ3は個人的には傑作級に大好きです。

そして、そこから昭和ガメラの原点に返るがごとく、しっかりと子供向けにアレンジを施した小さき勇者たちガメラなども、個人的にはあまり好きじゃないんですけど、全体として見てみるとそこまで違和感を感じないこの出来にも個人的には満足できて良かったと思います。

ガメラよ 本当にありがとう。最後に一言

「大丈夫だよ。ガメラは子供の見方なんだ!」The Guardian of the Earth
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