エンドロール

トムボーイのエンドロールのレビュー・感想・評価

トムボーイ(2011年製作の映画)
4.3
この可愛い映画に、救われる人がひとりでも増えることを願う。
可愛い。そして辛い映画だ。
そう言えば時代設定がはっきりしないけどいつのお話?と思い、10年前の作品であることに気付いた。ロールの悩みに周りがどれだけ寄り添えるかは時代によって全然変わって来るはずなので、その辺がはっきりしていた方が良いと思う。
それに希望的な不満として、82分はコンパクトすぎる。ロールは両親に深く愛されている子なので、もっと時間をかけて両親が理解を示したシーンが欲しかった。リスタートだと思わせるラストシーン、リザの気持ちももう少し見せて欲しかった。リザは周りの男子よりも少し大人だし、ロールの良き友となってくれたと思いたい。
対照的な妹のジャンヌも、妹を可愛がるミカエル・ロールも本当に可愛い。生まれたばかりの赤ちゃん、男の子に見えたが実際は?男の子だとしたら、ロールはまた複雑な気持ちになるかもしれない。
どうか幸せになって欲しい。フィクションなのに、心からそれを願ってしまう。それがこの映画の力なのだろう。