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トムボーイのnanamiのレビュー・感想・評価

トムボーイ(2011年製作の映画)
4.7
とても良かった。
過度な演出のない自然な映画。
ロールとリザが室内で踊るシーン以外、
作品の中で音楽が流れないのが印象的。
以前「燃ゆる女の肖像」を観たときに、
映画といえば音楽ありき!と思っていた価値観が
覆されたのをよく覚えているけど、
本作を観て尚更その想いが強くなった。

セリーヌシアマの作品は、
スクリーン上の登場人物と、
私たち観客の境界線を取り払い、
映画の世界観に没入させてくれる。
子供たちの無垢さ・無邪気さ・幼いが故の残酷さが、
まるでドキュメンタリーの様に、
目の前に映し出されるのが良かったな。

後半のロールの母親の行動にも心揺さぶられた。
なんて可哀想なことをするの・・と思うけど、
ロールの今後の体裁をすごく考えていることも伝わるから複雑な気持ちになる。
でも、忖度なく中立的な立場から親としての立場を描くのは、
私たち観客に色々と考えさせる機会をもたらすから良いなと思った。

ロールはまだ10歳。
丁度第二次性徴が始まり、
個人の自我やアイデンティティが確立されていく年頃だから、
"男の子らしく振舞いたい"という気持ちも、
まだ未成熟なのでしょう。
女の子であることを強いられるときに、
その場では強い否定を示さず、
一人でいるときに、
男の子になる為の行動をするのがまさにそうで。

そんな、どういう自分になりたいのか模索しているロールに、
リザという真の友人のはじまりを感じさせるラストは、
ロールに対する救いを感じて嬉しくなった。
あとはとにかく妹のジャンヌが可愛すぎる!