三四郎

226の三四郎のレビュー・感想・評価

226(1989年製作の映画)
3.9
キャストがなんとも豪華。
どうもそれほど高い評価を受けていないようだが、約2時間という限られた時間の中で、それぞれの視点から描いていて、なかなかどうして心揺さぶられる映画だった。

国家を憂えて立ち上がる青年将校たち(とその家族)、対して、同じく国家の為に尽力している政府要人(とその家族)、どちらも国家の為、国民の為、この激動の時代を一所懸命に生きていた。
しかし、私は二・二六事件を起こした青年将校たちについては、理想に燃える血気盛んな若気の至りとしか思えず、どうしても共感はできない。
貧しい人々への哀れみと同情から、社会主義青年たちは地下活動や労働者への啓蒙活動を行い、銃剣を持つ青年将校たちは二・二六事件という行動を起こした。どちらも独り善がりと言えないだろうか…。国家、社会はそれほど単純にはできておらず、理想通り変革することはなお困難だ。社会主義青年たちと青年将校たちの違いはペンと銃剣であり、当時の大日本帝国のエリートとして、エリート故の傲慢さと青さがあったように思う。

高峰三枝子も出てたのかと驚くとともに嬉しくなった。名取裕子はどの女性かわからなかった。
三四郎

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