マルケス

セブン・イヤーズ・イン・チベットのマルケスのレビュー・感想・評価

4.0
内容が内容だけにチベットでは撮影できず、代替ロケ地がアルゼンチンと知り、その距離に驚いた。極秘でチベットに潜入撮影もしたとか。映画人の映画に賭ける熱意には呆れるほど。

誰とも相容れなかったハインリヒがチベットでの7年間で変容していく。ダライ・ラマ14世が少年ながら背負っているもの、それを理解していることに胸が痛くなる。立場が人を育てるということか。
車の運転、ペーターの時計、別れのバター茶、オルゴール。珠玉のエピソードが情緒と深みを添えている。

ポスターの写真はハインリヒがチベットを去る時にポタラ宮を見上げる場面。表情が全てを物語っているような一枚。政治が絡むだけに硬いし派手な作品ではないが、個人的には傑作。よくぞ撮ってくれたと思う。
マルケス

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