AYA

つぐないのAYAのレビュー・感想・評価

つぐない(2007年製作の映画)
4.0
醜い嘘と、美しい贖罪。

残虐なのに美しさを感じさせる一作。

この二つが両立するのは、この作品だけではないでしょうか。

(あらすじ)
1930年代、戦火が忍び寄るイギリス。
政府官僚の長女セシーリア(キーラ・ナイトレイ)は、兄妹のように育てられた庭師の息子、ロビー(ジェームズ・マカヴォイ)と思いを通わせ合うようになる。しかし、二人の身分差では到底許されない恋心。
小説家を目指す多感な次女ブライオニー(シアーシャ・ローナン)のついたある嘘が、
3人の人生の歯車を大きく狂わすことになる。


この作品を初めて鑑賞したのは、15歳、中学3年生の時でした。
どちらかといえば、ブライオニーに年齢が近い頃。
その当時の私は、戦争についての知識も乏しく、イギリスの文化にも乏しく、
ブライオニーの姉に対する嫉妬や、大人に対しての羨望を感じながら、鑑賞したことを憶えています。

しかし、セシーリアと年齢が近くなった21歳の今、
ブライオニーの後悔が心が潰れるくらいに分かりました。
自分の醜い嘘の行き着く先。
それが想像もつかないくらいの幼い自分の公開に潰されそうになる。

あの頃羨ましい、と思っていた存在である大人になった今の自分を襲う過去の亡霊。

これからも、セシーリアとロビーが幸せに生き続けることを心から祈ります。

「I don’t think I can blame the heat.
暑さのせいにはできないだろう。」
AYA

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