思わず「こ・れ・は・酷いｗｗｗ」だけで終わりにしたくなる、西部劇×ミュージカル×ブラックスプロイテーションという異色作。黒人保安官が主人公です。74年の作品なので、西部劇もミュージカル映画も映画産業としては完全にオワコン状態だったのだろうし、そのタイミングを見計らってブラックスプロイテーションで乗っ取る、という発想はなかなかユニーク。
これまたタランティーノの『ジャンゴ』の元ネタだろうなあ、という話はともかく、悪徳検事＆おバカ知事らの陰謀で町が壊滅させられそうになったとき、町の住民たちが黒人保安官と結託し、「砂漠の真ん中に映画のセットで偽物の町を作って敵を混乱させよう」というメタフィクション的な発想に至る流れもなかなかぶっ飛んでいて、最後の乱闘に至っては回収不可能な混乱状態に。
映画のために時間を無駄にしても惜しくない人向けの1本です。
