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にごりえのkazu1961のレビュー・感想・評価

にごりえ(1953年製作の映画)
4.0
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-227 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋“人間のさが”“男女のさが”そして貧富の差。。。約120年前の明治の時代、片や明治モダンともてはやされた時代ですが、樋口一葉にはこのような心情風景が見えていたのでしょうね。。。ある意味哀しく、ある意味リアルな作品、若い時には分からない、年を取ったからこそ分かって評価ができるそんな作品ではないでしょうか。

🖋三作のオムニバス形式をとった作品。樋口一葉の短編小説『十三夜』『大つごもり』『にごりえ』の3編を原作としています。24歳で肺結核で他界した樋口一葉の心情風景と今井正監督ならではの演出、そして丹阿弥谷津子、久我美子、淡島千景の三主演女優の演技(杉浦春子も凄いですが)、そして明治期の舞台美術、観る人の人生経験、これらが相まって初めて心に響いてくる作品だと思います。

🖋本作の凄さは当時の評価にも。第4回ブルーリボン賞作品賞、第27回キネマ旬報ベスト・テン第1位。特にこのキネマ旬報第1位は、2位が小津安二郎の『東京物語』3位が溝口健二の『雨月物語』なのでその評価の高さは特筆ものです!!

😢Story:(参考: 映画批評空間)
第一話「十三夜」:結婚生活に疲れ実家に帰ってきたおせき(丹阿弥谷津子)と、幼なじみで人力車夫に身を落とした録之助(芥川比呂志)の再会。……第二話「大つごもり」:金持ちの家で働く下女・みね(久我美子)は親類に金策を頼まれ、思い余って家の金に手をつける。……第三話「にごりえ」:酌婦・お力(淡島千景)と彼女のために落ちぶれた源七(宮口精二)、そしてその妻・お初(杉村春子)の愛憎。

🔸Database🔸
・邦題 :『にごりえ』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 1953
・日本公開 : 1953/11/23
・上映時間 : 130分
・受賞 : 第4回ブルーリボン賞
作品賞、音楽賞、企画賞
・監督 : 今井正
・脚本 : 水木洋子、井手俊郎
・原作 : 樋口一葉
・撮影 : 中尾駿一郎
・音楽 : 團伊玖磨
・出演 : 丹阿弥谷津子、久我美子、淡島千景

🔸Overview (参考:映画. com )🔸
文学座、新世紀映画社の共同製作になる樋口一葉の小説のオムニバス映画で、「ひめゆりの塔(1953)」の今井正監督作品。脚本は「あにいもうと(1953)」の水木洋子と「愛人」の井手俊郎が共同で書いている。撮影は今井正とコンビをなす中尾駿一郎(ひろしま)、音楽は「赤線基地」の団伊玖磨である。出演者は「東京物語」の杉村春子、長岡輝子、中村伸郎、「雁(1953)」の芥川比呂志、「幸福さん」の田村秋子、丹阿弥谷津子、三津田健など文学座の面々のほかに、「地の果てまで」の久我美子、「花の生涯」の淡島千景、「蟹工船」の山村聡が出演している。
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