七沖

ペーパー・ムーンの七沖のレビュー・感想・評価

ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)
4.8
大人と子供の詐欺師珍道中。ずっと飽きないテンポの良い展開が続き、最後はにっこりできる作品だった。

詐欺師のモーゼはひょんなことから亡くなった知り合いの娘・アディを託される。なんとか彼女を厄介払いしようとするモーゼだったが、アディには類い稀な詐欺師の才能があり…。幼いアディと口喧嘩しながら行く先々で詐欺し続ける不思議な旅路。

いやこれ面白かった。

大人のモーゼより少女のアディの方が詐欺師としてのレベルが高いのがキモ。しまいにはモーゼに
「大きくなっても男をだます女になるな」
と言われ、
「約束する」(キリッ)
と返すアディ。
いや、もう手遅れですから!

本当に二人のやり取りを観ているだけであっという間だった。
アディの不機嫌そうな表情、屈託無く笑う様子がともに素晴らしい。二人が実際に親子だからこその噛み合った漫才のような演技が見事だ。アディを演じたテイタム・オニールが史上最年少でアカデミー助演女優賞をとったのも頷ける出来。

バタバタしつつも彼ららしいラストに顔がほころぶ。
素晴らしい映画にまた出会えた。
七沖

七沖