ハレルヤ

フィラデルフィアのハレルヤのレビュー・感想・評価

フィラデルフィア(1993年製作の映画)
3.8
将来有望な弁護士としてキャリアを積み重ねていたベケット。同性愛者でエイズに感染していた事が判明し、事務所は彼を突然解雇する。ベケットは不当解雇として事務所を相手取り、弁護士仲間のミラーと共に裁判に挑むヒューマンドラマ。

随分前に一度地上波で見ましたが、内容をだいぶ忘れていたので約20年ぶりに再鑑賞。久しぶりに見ましたが改めてしっかり作り込まれた作品だと思いました。

30年ほど前の作品ですが、当時でも同性愛者への差別的な扱いは当たり前のようにされていた事実。そしてエイズ患者への誤った認識や不当な対応。今でこそかなり理解が深まっていると思いますが、劇中でのベケットが受ける仕打ちを見ていると本当に心が滅入ります。

病に蝕まれ、徐々に体が弱っていきながらも自身の名誉をかけて果敢に裁判に挑むベケットをトム・ハンクスが好演。本作で見事オスカー受賞。それも納得の迫真の姿でした。

最初はベケットを毛嫌いしながらも彼の信念を受けて考えを変え、彼を救おうと全力を尽くす弁護士仲間のミラーはデンゼル・ワシントン。見てて本当に安心感があり、頼れる仲間だと思わせてくれる姿はまさに名優と呼ばれるに相応しいと感じましたね。

今でこそ気付いた事ですが、ベケットのパートナー役はアントニオ・バンデラスで驚き。初鑑賞時は分からなかったので、再鑑賞だからこそ気付けた発見でした。

ブルース・スプリングスティーンが歌う主題歌もオープニングから印象的に響き、音楽の良さも作品の完成度を高める良い要素。全体的に派手さはありませんが、メッセージ性、キャストの名演、演出の良さ、全てが良い形で合わさっていた作品だと改めて実感しましたね。
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