青二歳

あヽ海軍の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

あヽ海軍(1969年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

大映の実力を見せつけてくれる大作。"あゝ海軍"というより"あゝ江田島兵学校"が相応しい海軍士官の物語。
本気のエキストラ(ハンパない)に加えロケ/セットともにいつも通りの高水準。今作は更に!戦時記録映像を都度挿入のうえ、特撮班による航空戦の再現まで。
この特撮が素晴らしい〜。チープさが目立つものの、ジオラマで爆発させているのかロケ地で実際に爆発させてるのか、ポケっとしてると判断つかないシーンがちらっと。おやっ?と見直しちゃう。大映のことだから何やらかすか分からんし。流石w。
大映といえばご愛嬌のポンコッツ特撮を披露してくれる筈が、ガメラの監督を迎えて一気にレベルアップしちゃった。

世界に名高い江田島海軍兵学校に入学し、海軍士官の道を歩む男の物語。それはすなわち昭和戦史そのもの。かなりサクっとテンポよく昭和史が進むけど中々ボリューミー。

さらに主人公中村吉右衛門は戦線から帰還後、江田島兵学校に戻り教官を務める。教育という資本の蓄積と継承は大学に限らず軍学校という学府でも同じことなんだなあと胸を打つ。
実在の井上学校長を森雅之が好演。リベラルで合理的な彼の言動が静かに描かれるのが良い。重要な役なのに山本五十六の存在感が妙に薄いのはなんとも。
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