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イキガミのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

イキガミ(2008年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

「国家繁栄維持法」なる法律が施行されている日本が舞台。国民は、小学校入学時の予防接種で1000人に1人の割合で、ランダムにナノカプセルを投与される。投与された者は18〜24歳の間の予め定められた時間に死に至ることになる。死ぬ者には、死亡予定時刻の24時間前に通知書が届けられる。主人公は、死にゆく者に死亡予告通知書、通称逝紙を配送する国家公務員。主人公が死を通知した者たちは、残りの24時間をおのおの悔いのないように生きるのたが…という話。原作はヤングサンデーなどに連載されていたマンガ。

いわゆるディストピアもの。原作の3つのエピソードをオムニバス風の構成でみせている。どちらかというとテレビドラマ向き?
もう卑怯なくらい泣かせる要素満載。特に第1話のミュージシャンとその元相方のお話は、衝撃のラストの瞬間に号泣。ミュージシャンが歌う劇中歌は主題歌でもあり、かなり良い曲。
山田孝之演じる兄と成海璃子演じる盲目の妹のエピソードは、一つの計画を病院の全員で成し遂げるというもので、凝っているし、スピード感があって面白かった。でも悲しい終わり方。
設定が残酷で、結局何も打開策の出ないまま終わるので後味は悪い。死ぬことを告げられた者には交通免除と、飲食店無料利用の特典に加え、遺族年金が支払われるとのことだが、その予算はどこから捻出しているのだろうか?
あと、この手の人を殺す法律を描いた話を見ると、絶対こんな法案通らないだろうとは思うけれど、フィクションはこのくらい極端な方が良いのかもしれない。
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