Dumbo

ギルバート・グレイプのDumboのレビュー・感想・評価

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
4.0
こんなふうに、人生は続いていくんだろうな…



なんともやるせない気分になりました。

全く知らない映画でしたが、
たまたまBSで見つけて、
若いジョニデと
まだ少年のレオ様!
この二人が見たくて録画していました。


訳ありだけど、それでも折り合いをつけて、家族の毎日はこんなふうに過ぎていく…
特に何も起こらなくても。

けっこう重くて切ない人間ドラマ。
レビューも書きにくいので、書かないつもりでしたが、
観終わった後に、
なんとも言えない感情が湧いてきて、
観てよかったなぁ…と思えたので、
やっぱり書いておくことにしました。

辛いだけではなくて、家族の愛の物語でもあったから。

家族って、
めんどくさいけど、やっぱり大切。

他人にはわからない感情が、
その家族の中だけにある。


この家族も、
お互いのためにちょっとずつ我慢したり辛い思いをしなければならなくなっている。
誰も悪くないのに…。

知的障害の弟、アーニー。
夫の自死のショックから過食症で歩くのもままならないほど太ってしまった母親。
お母さんがわりで家事や食事の用意をする妹たち。

そして、
弟の面倒をみながら
一家の家計も背負って食料品店で働いているギルバート。

ギルバートはある意味ヤングケアラー。

その逃げ出すことのできない閉塞感と寂しさからか、
夫と子どものいる主婦からの誘惑に負けて、不倫がやめられないでいる。

誰も悪くないのに(不倫はダメだけど💦)
この家族は少しずつバランスを失い、
今にも壊れそうに…

狭い町では人の目もあるし、
噂はすぐに広まるし…

太りすぎて動くことすらできないお母さんだけど、家族はお母さんが大好きで、
お母さんを、笑い物にしたくない…


そんな変わらない毎日の中で、
ある日ギルバートは
祖母とトレーラーハウスで旅をする
明るく自由な女の子ベッキーと出会う。
このベッキーとの出会いによって、
ギルバートの毎日は陽の光が差したように明るくなっていく。

リベラルな考え方を持っていて、
弟にも優しくお母さんのことも笑わない、
そんなベッキーの存在が、
ギルバートの心を溶かしていく。

何かから逃げたり、きもちを紛らわせるための不倫とは違う、
ギルバートがやっと見つけた、
本当の恋。




お母さんを天国に旅立たせる方法…
もっと他になかったのかな…と
複雑な気持ちになったけど、
この家族にとっては、
お母さんを守る一番の方法だったのかな…



年齢を重ねた、今の渋いジョニー・デップも素敵で好きだけど、
青年ジョニーのなんてイケメンなこと✨

まだ少年のレオ様も
知的障害の弟アーニー役を見事に演じていて、この頃からすでに大物俳優のオーラが出てました✨

切ない気持ちになる作品ではありますが、
この二人の素晴らしさは一見の価値ありです!!




「僕らはどこへ?」

「どこへでも!」




What's Eating Gilbert Grape
Dumbo

Dumbo