おばけシューター

ギルバート・グレイプのおばけシューターのレビュー・感想・評価

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
4.5
なんで今まで、この映画の存在を忘れてたんだろう。急に思い出し深夜に再鑑賞。久しぶりに観たらオープニングカットでもう涙が…

ギルバートグレイプは当時29歳のジョニーデップ。眉間の皺すら完璧な左右対称で、もはや神々しさすらある。しかしながら、あの飄々とした雰囲気も既にあり、演技、特に表情の表現力なんかが素晴らしかった。が!

しかし!

例えるなら、マラソン大会でGT-Rに乗って150km/hで走り民衆と差をつけたデップの横を、共演のレオナルドディカプリオは音よりも速い速度で追い抜いて、あっという間に見えなくなってしまった。
ディカプリオの演技は、そのくらいヤバい!!!
ちなみにこれが長編デビューです。
どうかしてる!!

弟アーニーは知的障害のある無垢の少年で、演じたのは当時19歳のディカプリオ。これで新人賞受賞してますが、デビューとはとても信じられない既にカンストした演技力は…マッッッジで、すごい!

そして250kgの母親役は、なんと女優ですらなかった!実際に何年も引きこもってたことから抜擢されたようです。よく出演したな。
デビューに未経験者とあって、こんな感動作が生まれたな。シンプルに奇跡。

お風呂も1人で入れない弟の世話をしながら、更には階段も上がれない母親を養うため、地元のスーパーで働くギルバートが、とある出会いから自分のために歩き出すことをケツイする話で、ストーリー自体は平均的で特別な内容ではないと思うんですが、、演出にわざとらしさも無く、そのくせ何でもないシーンなのに涙が出てしまうような素晴らしさが、この作品にはある。

この2人が仲良くしてるってだけで作品として十分な見どころを感じますが、家族のために自己犠牲を続けるギルバートと、いっつもほんとに楽しそうなアーニーが、それだけで泣けてくる。しかし不安なわけじゃない。信頼し合う関係というのは、見ていて安心する。

ギルバートのように結局自分はどうしたいのかという葛藤ができるのはある意味幸せかもしれない。それだけ大切な人がいるわけで…


と、久しぶりに鑑賞したら、めちゃくちゃ沁みました。字幕なしで見たけど聞き取りやすい台本とセリフばかりで、集中できたのも大きかった。


涙目でする話じゃないですが、初めて本作をみたのは大学の頃、女友達の家に遊びに行ったらこれを流してくれて、適当なタイミングでセックス始めよって思ってたらすぐにそんな事忘れてしまい、エンディングが流れた時、はじめてその子が寝てたことに気付いた思い出があります。
(実写ハチクロの時は登場人物揃う頃にはパンツ脱いでたのに。なんか盛り上がってる時にずっとDVDのメニュー画面の音楽ループしてて、鬱陶しかったなぁ。)

ちょっと本作が良すぎたので、バランス取るために下品な話をしておきました。

どういたしまして。

おわり