yukihiro084

ギルバート・グレイプのyukihiro084のレビュー・感想・評価

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
4.8
数年前の夏に、癌で逝った妹は
知的障害者だった。
家族に対する会話は普通の子と
変わらなかったが、学校の勉強に
ついていけなかった。とても大人しく、
人とコミュニケーションが取るのも
苦手だったが、会話は普通にできるのに、
僕は妹がなぜ特別支援学級に行くのか、
当時、理解出来なかった。
母は某宗教団体の熱心な信者だった。
何を相談しても、お題目を唱えなさい。
しか言わない人だった。
父はいなかった。単身赴任でほとんど
別居生活の上、父自身も子育てや家庭には
関心のない人だった。
兄もいるが、まぁ兄も(なかなか)だった。

家族って何だろう?って、
昔から考えていた。
普通の家庭がいいなって、
何回も何十回も何百回も考えて、
そのたびに激しい自己嫌悪を覚えた。

(ギルバート・グレイプ)
この作品は、観るたびに勇気がいる。
最近になってやっと普通に観ることが
出来るようになってきた。

今でも母は、すぐお題目を唱えなさいと
言うけど、母と兄とも笑って
話すようになった。

家に帰ると、朗らかな妻と
ひょうきん者の息子が
僕を笑いに溢れる世界に
(連れ出して)くれる。
ベッキーみたいに。

ギルバート・グレイプ。
僕にとっては、特別な作品です。
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