LalaーMukuーMerry

ギルバート・グレイプのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
4.4
初めて見たのは公開されて10年くらい後、今から10年以上も前のこと。レオナルド・ディカプリオは「タイタニック」(1997)で初めて知ったので、そのずっと前に(と言っても4年前)こんな役で出ていたのか!と、とても驚いたことをよく覚えています。知恵遅れの少年役の演技は凄かったです。良い作品という印象の記憶がありますが、それを再確認するためにひさびさの鑑賞。
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アメリカ西部アイオワ州(地図でどのあたりか調べてね)の田舎町の外れ、見渡す限り地平線、夕日がとても美しい平原にポツンとある一軒家の長男ギルバートの物語。
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家族は大切だけど、いつまでも続くわけじゃない。子どもの成長とともに家族関係は変わり、いつしか子供は独立し、新しい家族をつくっていく。親にすればどこか寂しい事ではあるけれど、それは喜ぶべきこと。子の幸福を願わない親はいませんから。自分が足かせになって子が人生の選択を狭めているとしたら、幸せになることを躊躇しているとしたら、これほど悲しいことはない。
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亡くなった父親に代わって長い間、母親のため妹弟のために家族を支えてきたギルバート。口にも顔にも出さないけれど、何かを犠牲にして、心のどこかで我慢しながら生きてきた。袋小路に入りかけていた彼の前に新しい恋人が現れた。まじめで責任感の強い彼にも、いいえ彼だからこそ幸福になる権利はあるはず…
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これが神様の思し召し? 突然展開するストーリーで話は終わるのですが、これで良かったのでしょうと自分に言い聞かせるしかない、ちょっと切なくて、希望も見える素敵なラストでした。