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ギルバート・グレイプの小のレビュー・感想・評価

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
4.0
「午前十時の映画祭8」で鑑賞。後から考えるとあれしかないオチだけど、全く気付かず不意打ちだった。それからレオナルド・ディカプリオの演技が凄かった。今のハリウッドであんな演技する人いるのかしら。

“家”に縛られた男、ギルバート・グレイプ(ジョニー・デップ)の物語。過食症で太りすぎ身動きの取れない母、知的障害を持ち手間のかかる弟(レオナルド・ディカプリオ)、口うるさい2人の妹たち…。そんな環境で、身動きが取れず、自分を殺して無表情に生きるギルバート。そんな彼がトレーラーで旅をする少女と出会い…。

長男として、亡くなった父に代わり、一家を支えていかなければならないという責任感はやりたいことを我慢しなければならないという自分自身への鎖でもある。その鎖に縛られた彼は、家から離れることができないでいる。

支えと束縛という二面性を持つ家族。その象徴としての家。借金をして家を購入したサラリーマンのオジサンも同じような境遇かもしれない。

ただ、オジサンはそこに至ったのは自分の意思だったのだと納得できるから、まだ不幸な気持ちは少ないかもしれない。ところが、そのオジサン、即ち父親が負うはずだった束縛を息子が負わざるを得なくなったとしたら…。

少女との出会いによりギルバートの気持ちが変わってきたところに、とある出来事が起き、彼は自分の人生を変える決断をするのだけれど、このときの行動が冒頭に書いた不意打ち。全く予想できなかったこともあって、結構スッキリした気分になれた。

演技では知的障害を持つ弟役のディカプリオが凄すぎ。『パーフェクト・レボリューション』を観たとき、トークショーでリリー・フランキーさんの指の演技に言及があり、ハリウッドとかでは忌避されるような話だったと思うけれど、そんなことを感じさせないリアリティだった。今は違うのかな。

●物語(50%×4.0):2.00
・ラストにヤラレタ感。

●演技、演出(30%×4.5):1.35
・ディカプリオの演技にやれらた感。変装していないジョニー・デップを初めて観たという人がいたけれど、自分もそう。

●画、音、音楽(20%×3.0):0.60
・普通だったかな。
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