牛猫

ギルバート・グレイプの牛猫のレビュー・感想・評価

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
3.3
アイオワ州の田舎町で、知的障害を持つ弟と過食症で身動きのできないほど太った母親を姉と妹の3人で支える青年を描いた話。

長い間自分を犠牲にして送ってきた生活。劇中で全て描かれているわけではないけれど、その苦労は想像を絶するだろう。
実際に映画冒頭で語られる「長く生きて欲しいと思う日も、そうでない日もある」というセリフに心が揺さぶられた。

家族に対する愛情は間違いなくあると思うけれど、同時に自由を奪う鎖でもある。
終始笑顔を見せないでギルバートの姿がとても痛々しく、なんとか救われて欲しいと思ってずっと見ていた。

結局ギルバートは幸せになれたのか。
明確に描かれた訳ではないけれど、キャンピングカーに乗った時の表情が彼の未来を示しているようで、安心した。

知的障害を演じたディカプリオも確かに凄かったけど、ジュリエットルイスの爽やかな瑞々しさと、若きジョニーデップの自然な演技が素晴らしい。

ヒューマンドラマとしては少し重いし、正直あまり見所はないけれど、若いディカプリオとジョニーデップの豪華共演を見られる貴重な映画だと思った。
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