コマミー

男はつらいよ 寅次郎春の夢のコマミーのレビュー・感想・評価

3.6
[言葉の壁]

レナード・シュレイダーを追う旅その④。

[男はつらいよ]シリーズは、ザックリとだが、観たことはある。もちろん、渥美さんが[寅さん]であることも知ってる。だが、その寅さんに外国人の友達がいることは知らない。

レナードは、この日本で有名なシリーズにも参加していた。ストーリーは、きっと今にもつながる物語でもある。
要するに、寅さんが住む柴又に、[外国人版寅さん]がやってくるというお話しだ。その人は、どうやら[栄養食品のセールスマン]で、寅さんが持ち歩いているようなカバンのなかに大量のサプリメントを持ち歩きながら、いろんな店を行き来しており、宿を探していたという。

もちろん、柴又の方々達は、[英語が全
く分からない]。ので、当然みーんな頭に「?」マークを浮かべながら、寅さんの実家である、お団子屋さんを頼る。そして、寅さんが帰ってきて更に混乱する。

要するに、当時の日本人の[アメリカ人に対する認識]と[言葉の壁ができることによる、誤解の多さ]を描いている。それを山田監督風に、[喜劇風]に面白おかしく描いているのだ。
脚本に参加したレナードは、弟の作品「ザ・ヤクザ」に出演していたハーブ・エデルマンを採用した。これが、なかなかハマってる。彼は、調べてみたら結構ぎこちない男を演じることが多いため、[寅さん]のような、[不器用ではあるが、男らしい]人物を演じるのに適していたのだろう。

ともあれ、レナードはここから本格的に日本の作品に参加していくようになる。

この作品で笑えたのは、やはり、その外国人の名前が「マイケル・ジョーダン」だという事。突っ込み所あり!まるでよろしい!

シリーズを通して、寅さんは、この柴又を中心に[純情な]旅をしてきたのだが、この作品だけは、寅さんとしての[情深さ]がまた違う形で伝わった作品なのではないかと、僕は思いました。
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