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マジェスティックのTSのレビュー・感想・評価

マジェスティック(2001年製作の映画)
3.4
【赤狩りの対象になった男】74点
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監督:フランク・ダラボン
製作国:アメリカ
ジャンル:ドラマ
収録時間:153分
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フランク・ダラボンが絡めばだいたいは良作となりえます。今作もその内の一つと言えますが、個人的にはまあまあと言ったところ。ジムキャリーが出てくるのでコメディ要素があるのかと思えばそれはほぼゼロ。改めてジムキャリーの演技力の幅の広さを窺えました。

1951年のアメリカ。脚本家のピーター・アプルトンはB級映画の脚本を書き続けながらも大作映画の脚本も書こうとしていた。そんな時、人の気を引くために学生時代、共産主義の集会に参加していた事実が判明してしまうのだが。。

いわゆるマッカーシズム、赤狩りが行われていた時代を描いた作品。この赤狩りはいわば冷戦の象徴の一つとも言えます。特にハリウッドの映画俳優や監督もしばしばターゲットにされた模様。その標的とされたピーターは全てを失い、毎日酒に溺れ続けてしまいとんでもない事態を招いてしまいます。そこからはある程度の予想は出来ますが、その気まずいというか切ない結末には息を飲んでしまいます。

赤狩りの批判だけでなく、単純に戦争の辛さも伝えています。結局、戦争で亡くなった人たちの魂は現世の人に届かない。亡くなれば無であるのです。また、荒廃した映画館を復活させ、映画館で人々が楽しむ様子も描いているので、『ニューシネマパラダイス』のようなノスタルジックな雰囲気も感じ取れます。割と長い作品ですが、普通に良い話。どちらかと言うと重めの話ですが、コメディ俳優の色が強いジムキャリーはよくこれを演じてくれました。
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