東京キネマ

夜の歌謡シリーズ 長崎ブルースの東京キネマのレビュー・感想・評価

3.0
松方さん追悼10本目。
そういや昔はこういった歌謡曲の一発企画の映画がありましたねえ。 テレビじゃできないものを、で考えたら、結局暴力とエロしかないのに気づいて、最後はテレビ流行歌への抱き付き作戦に行き着いちゃった訳ですが、でもまだ多少映画界の意地みたいなものは感じます。

定番ドラマではあるんですが、粘着系の湿ったお話で、日本的でちょっといいです。面白いのはホストクラブがもうこの時代にしっかり根付いていること。それに、「バンスは私がお返しします」なんてセリフがあるってことはホストにも前借り制度があったってことですか・・・。

肝心の松方さん、クレジット一枚出しの主演です。女を金の道具にしか見てないホストが、最後は恋に生きる道を選ぶという設定。チャランポランなホストと、ピュアな男の中間の芝居が無いもんだから、最後までこいつ大丈夫か、とお話が落ちていかないんだなあ、これが(笑)。いつかは、いつかは、でここまで来ましたが、この映画の前後で大映に貸し出しとなっています。ああ・・・。

エンド近くになってですが、タイトル曲ではなく、サブの「新宿サタデー・ナイト」がフルコーラスで流れます。これがいいのですよ。

“キスしたの あなたは私の心に
一人では居られない女にしたの
星までも流れるの 待ちかねて探す夜に
好きよあなた 好きよあなた
サタデーナイト 新宿の夜・・・”

つまりねえ、恋は商売人と週末だけ、平日は家庭に恋愛なんか持ち込んじゃダメよ、という歌なんです。いい時代だねえ〜(笑)
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