なかのく

レイジング・ブルのなかのくのレビュー・感想・評価

レイジング・ブル(1980年製作の映画)
4.5
2018 11月 鑑賞

個人的にボクシング映画に期待するのは、主人公がどん底から這い上がるガッツであり、それによってクライマックスで訪れるカタルシスなんだけども、本作はそういう意味ではボクシング映画というよりは、ボクサーの伝記だった。そう、ボクサーの伝記。
ジェイクはどん底に落ちることはなく、クライマックスに訪れるのはカタルシスというよりはむしろ哀愁のようなもの。だから西洋の話なのだけども、"演歌的だなぁ"と感じる。味わい深い。

本作で面白いのは、ボクシングの試合シーンというよりはむしろデニーロとジョーペシの芝居のやり合いだった。デニーロはもう言わずもがなの名優ぶりで片時も目を離せられない。本当に惹きつけられる。ヒリヒリしたボクサー時代と引退後の容姿の変化は、もうすごいとしか言いようがない。
ジョーペシも「グッドフェローズ」の演技がすごく印象深くて好きな俳優。本作のジョーペシは、グッドフェローズの時とちがってなんかかわいいところがある。デニーロとジョーペシがやりとりしてると、楽しいんだよなぁ!
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