Azuという名のブシェミ夫人

落下の王国のAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

落下の王国(2006年製作の映画)
4.0
目にも眩い色の鮮やかさ、風にたなびく生地の素材感、どこの国ともつかない風景。
様々な美しさが押し寄せるように飛び込んできました。

ケガをして、恋人も失って、もはや絶望状態に陥った男性が、病院で知り合った幼い女の子に自分で考えた“おはなし”を語る。
私が好きな映画『ビッグ・フィッシュ』もそうなんですが、こういう“おはなし”で語られる世界ってやっぱりカラフルで非現実的であればあるほどワクワクすると思うんです。
子供なんて特にそう。
大人になったって、やっぱり好きなんだ。
だから、そんな世界を想像の中だけじゃなくて、映像としてこうして見れるという事に幸せを感じます。

落ちるところまで落ちたら、あとは上がるだけ・・・。
って言っても、その這い上がりが苦しい。
だから彼は諦めた。
でも彼の心の中はまだ空っぽになってなかったんだなぁ。
ただ白黒になっちゃって見えにくかっただけ。
女の子と一緒に物語を紡いで、色をつけてあげたら、心の中にはちゃーんと希望や愛が詰まってた。

最後に明るさが見える映画はやっぱり好きです。