ねぎおSTOPWAR

落下の王国のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

落下の王国(2006年製作の映画)
5.0
知人に勧められて鑑賞。そのときの理由(実は忘れてしまったけれど笑)は、映像を見ればなるほどと理解。
なんちゅう綺麗な画面だろう!!これ、DVDだよ!?NHKの4Kより美しい、本気でそう感じています。(*モニタのクオリティや4K等についてはコメント欄で)

よくよくパッケージの裏面・・
「『ザ・セル』で世界に衝撃を与えたターセム監督が、アカデミー賞受賞デザイナーの石岡瑛子をはじめ、デヴィッド・フィンチャー、スパイク・ジョーンズ、そしてクリシュナ・レヴィと共に構想26年、撮影に4年の歳月を費やして創りあげた圧倒的な映像世界。・・・」
フィンチャーがどうなんだか知りませんが、注目は脚本に名を連ねるダン・ギルロイさん。「ナイトクローラー」で監督も務めた方。本職は脚本家というギルロイ兄弟のひとり。
「ナイト・・」とは似ても似つかぬ話ではありますが、この方の本は素晴らしいと思います。

お話は、
外装の白い素敵な病院で進みます。腕を折って入院中の女の子アレクサンドリア、そしてスタントによって下半身に大きなけがをし、自暴自棄になり自殺願望のある彼ロイが主人公。彼がアレクサンドリアに聞かせるおとぎ話が・・。

いつしかこのおとぎ話は現実の彼の身の回りと交錯し始めるわけです。さらにはアレクサンドリアも巻き込んでいきます。

とにかく映像はとびっきり美しいので、「そこが見どころだからストーリーはね」と思っていたら、いやいやダン・ギルロイさんは隠していましたよ!
冒頭抽象的なモノクロ映像なのですが、そのロイがケガを負った撮影だったりするわけです。そしてラストまで観ると、とある伝説と相まって「あぁ映画ってそうだよな、いいなこれ・・」となるわけです。それが真実ではないのでしょうが、じわーっと広がる感動。
さらにアレクサンドリアにやられます。おちゃめな女の子と思って観ていてください、是非。

さて最後に、その素晴らしい映像のこと。
特に<おとぎ話>の中のシーンは青みを抑えているのでまるで夕陽に薄く照らされたような空気。
また海にポツンと浮かぶ島からのスタートは幻想的。
ここに出てきた「インド人」とされるのは、その後出てくる復活の祈りの儀式からインドネシアかフィリピンと判明。なぜならあの儀式の音楽はまさにバリ島のケチャ!通常地域にあるケチャはのっぺりとしていて、ああいった西洋的でメリハリのついたケチャは占領植民地時代のものです。製作はインドもあるのですが・・?
CGはいっさいなしなんだそうです。
ええっ!?あの水面に反射した映像って合成してない?まさにタイトルにある、あのFALLのシーンも?あの水の中も??
これは是非みなさんに体験していただきたい映画です。
貸してくださったのふのふさん、感謝!