ハレルヤ

落下の王国のハレルヤのレビュー・感想・評価

落下の王国(2006年製作の映画)
4.1
これはなかなか良い掘り出し物でした。
インド、イギリス、アメリカの合作映画で、あのスパイク・ジョーンズとデヴィッド・フィンチャーも協力している作品。

1915年のロサンゼルス。映画のスタントで重傷を負って入院し、将来を悲観して自殺願望がある主人公ロイ。偶然出会った同じく腕の骨折で入院している少女アレクサンドリアに、おとぎ話を聞かせてあげるうちに、自身の再生へと繋がっていくファンタジードラマ。

そのおとぎ話のスケールが圧巻過ぎる!この物語だけでも、そこらの映画何本作れるんだってくらいの壮大さ。世界13ヵ国で撮影された映像は、とにかくどのシーンも息を飲む美しさで圧倒されます。

これだけでも十分お腹一杯になる話なのに、そこから派生して現実パートの主人公2人の再生の話に繋がるのも反則レベルの感動。

タイトルにもあるように「落下」(原題も「The Fall」)のシーンが多く、その1つ1つが大きな意味を持っていて、構成の巧さが光ります。

そしてラストの無声映画時代のスタントシーンオンパレードも最高の締め括りでした。映画ファンにとっては、なかなか粋な演出でしたね

構想に20年以上。撮影自体も足掛け4年も費やした大作。それほどの手間暇かけて丁寧に作られた作品というのも頷ける傑作だと思います。
ハレルヤ

ハレルヤ