「落下の王国」に投稿された感想・評価

泳ぐ象や血に染まる赤い布、一面階段の壁など息を飲む美しい映像の数々。そして男が少女に自己を投影して語る物語が他者の介入によって変わるとき、その物語が生きる力となって現実に返ってくるという構造。物語の持つパワーを大胆かつ繊細に見せる。素晴らしかったです。

女の子はちょっとブーちゃんだけど可愛らしいし、美しい映像は全てあの女の子の想像の画なんだよね。周囲にいる人々が少女の想像力によって華麗に生まれ変わる。実在するのに異世界感ある風景、ビビッドな色使い、石岡瑛子のワンダーな衣装、全てが噛み合ってる。

リー・ペイスの憂いを含んだ表情もセクシー。わがまま眉毛がたまりません。ターセム・シンは『ザ・セル』も(話はともかく)映像が凄かったけど、本作は目の覚めるような色彩がさらに美しい。この邦題も良いです。
yuu
3.5
かなりよかった。世界観に圧倒された。
こういう映画、ほかにないんじゃないかな。
S
3.8
図書館レンタル④

圧倒的な映像美
図書館って意外と観てない名作いっぱい置いてある
beepee
3.9
世界観やばし。
Haji
3.7
記録(2017年)
仮想世界の世界観や色がすごくかっこよかったし、内容もおもしろかった。
最初こどもがウザったく思えるけど、段々可愛らしく思えてくる。
あと、子供のギブス変じゃない?ってモヤモヤする。
三畳
4.3
少女が聞かせられる物語を身近な人の顔で想像しているのが微笑ましいし、少女自身が物語に飛び込んでピンチを救うところは最高にグッときた!そういう設定が大好き。自分の幼心にネバーエンディングストーリーが下地にあるからか。

ファンタジーサイドは出まかせから発端している体だけあって、期待する深みや感情描写が映像美に追いついてないかな?インド人と氷屋さんのキャラや活躍がいまいちだし、みんな死んでくと決まったらやっつけのような速さ。あと60分長くして両サイドもう少し人物がリンクしていても良かったのに?
このページのジャケット画像にしても、水辺に写ってる水面の方が正位置で、現実が逆さまになってるのが最高じゃんと観る前に思ってたから、ファンタジーサイドの呆気なさがやっぱり、納得いかない。
事実は小説より奇なり。

でも歴代の実在の遺跡や城を物語上の舞台としてがんがん使い捨てるのはすごく良くて、特にインドの階段井戸チャンドバオリから敵兵がゾワ〜と虫みたいに湧き出してくるところとか。見たことない画だったので。ダーウィンが仲間っていうのも楽しい。

それに意外と、あまり説明しない、二度言わないスタンス、大事な過去やスタントマンの悲しみなどを映しすぎずに一瞬のカットだけで過ぎちゃうのも、子供向けじゃない感じがとても良かった。

また、悪夢を人形で表現するところも不気味さをアートなこだわりでばっちり昇華してたし、写真を指で押さえて片目ずつ瞑ると指がパッと移動するのをやってるシーンも可愛く、繊細な着眼点で素晴らしい!ってところが多くて。

ラスト、モノクロ映画に合わせた少女の独白=監督からのスタントマンへのメッセージ、という構図、本当にいい!
100年前のアメリカを舞台に、落下事故によって寝たきりになった無声映画のスタントマンが、同じ病院に落下事故で腕を骨折し、入院している少女をお伽噺を餌にして自殺幇助させようとするが、無垢な少女の頭の中でお伽噺は意外な展開を見せるファンタジー映画。語る者と聴く者の相互作用で新たな命を与えられる創作の力がテーマとして明確に描かれているため、ストーリーに意外性はない。世界24ヵ国で撮影した驚異の映像美と、少女と青年の作り出す空気感がとにかく本物志向で、空想は現実の面影であることが説得力を持って示されている。
2017.7.20 Blu-ray(字幕)
炒飯
4.0
オレンジの浮遊、水の飛沫。腕を、脚を犠牲にして、落下する彼らが出会う美しい王国でのこと。背負った物の重さは違ってもその圧力は同じで、笑ったりいじけたりするのは備え持つ強さと無邪気さの違い。脆弱な青年に口付ける少女の強さは、悲劇へと向かう物語さえもねじ曲げる。ストーリー自体に特別なものは何ない。ただ断片的に散らばる落下のショットや記憶のガラスがひどく鋭利なだけで。所々に挿入される子供心の描写も抜群に繊細だ。構図の均等さに浮かび上がるちょっと鮮やかすぎる色彩に思い起こされる夏の新緑や青さ。灼熱が恋しい。
🎬
「落下の王国」
左腕を折って退屈な入院生活を過ごす5歳のアレクサンドリアは、同じく入院中のロイという男と知り合う。彼はスタントマンをしており、怪我をしてベットから動くことが出来ない。ロイの、六人の勇者が出てくるおとぎ話に夢中になるアレクサンドリアだったが、彼の行動にはある目論みが潜んでいた。2006年、印・英・米。

しもむーさん@shimomuudayo のpostで気になってウズウズしていたので、早速観た!面白かった、というか、ほんと観てよかった!

ロイとアレクサンドリアが登場する、100年前のLAがグレイッシュに映し出されるのに対しての、おとぎ話のなかの圧倒的な映像の美しさ。
衣装の色彩美、壮大な風景美。
自然の美しさ、シンメトリーの美しさ、踊る絵画のような世界観。

これはただひたすら、アレクサンドリアの卓越した想像力によるもの。
語り部のロイは、ある目的のため語ってるだけだし目の前が真っ暗なので、おとぎ話の世界をあんなに鮮やかに映し出すことなんてできない。

4年の歳月をかけて13の世界遺産をめぐり、24カ国をまわったという恐ろしいスケール。なんかもう、すごすぎて笑う。

おとぎ話の中身は、とくに魅力もないストーリーなんだけど(正直、失恋男の私情挟みまくりの情けない作り話としか)、アレクサンドリアはそれをとても気に入って、ロイに続きを急かすのよね。
アレクサンドリアの感性の高さと、飽き飽きしていた入院生活のなかで待ちに待った刺激だったのだろうなということがよーくわかる。

途中で仮面をはいだおとぎ話の主人公はロイになっていて、やがてアレクサンドリアも物語に登場し、メインキャラクターになっている。
とある目的のためのご都合主義なロイのおとぎ話は、やがてそれぞれの生き方を変える2人の物語になっていく。

ロイは立派な大人であり、アレクサンドリアは社会性も身につかない子どもで、ひいては移民なので英語もまだ堪能とは言えない。
だけど、発想力や感受性という観点でいえばアレクサンドリアはロイの何倍も上回っているし、
“重く苦しい過去の傷を背負いながらもニコニコと生きる”アレクサンドリアと、“失恋した挙句に仕事で大怪我し、生きる希望を失った”ロイ、ここでも見えてくる人間性の深さ、浅さ。
直接的ではないけども、中身の外見のアンバランスな比較を感じさせてくれるところが面白い。

やっぱりテイストは「バロン」と同じかな、と思った。
男が少女に聞かせてやるおとぎ話。実際の人物が物語に入り込むところ。夢のような世界観。
「バロン」の、寝ている時に見る夢のような支離滅裂さに比べると、おとぎ話の内容はとても浅いけど、おとぎ話から醒めた時のふたりのキャラクターの肉付けがとてもよくて、これはこれで好きです。
とにかく美しい
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