落下の王国の作品情報・感想・評価

「落下の王国」に投稿された感想・評価

泳ぐ象や血に染まる赤い布、一面階段の壁など息を飲む美しい映像の数々。そして男が少女に自己を投影して語る物語が他者の介入によって変わるとき、その物語が生きる力となって現実に返ってくるという構造。物語の持つパワーを大胆かつ繊細に見せる。素晴らしかったです。

女の子はちょっとブーちゃんだけど可愛らしいし、美しい映像は全てあの女の子の想像の画なんだよね。周囲にいる人々が少女の想像力によって華麗に生まれ変わる。実在するのに異世界感ある風景、ビビッドな色使い、石岡瑛子のワンダーな衣装、全てが噛み合ってる。

リー・ペイスの憂いを含んだ表情もセクシー。わがまま眉毛がたまりません。ターセム・シンは『ザ・セル』も(話はともかく)映像が凄かったけど、本作は目の覚めるような色彩がさらに美しい。この邦題も良いです。
Kur

Kurの感想・評価

4.4
面白かった
なかなか見ない映画で新鮮だった
nogg

noggの感想・評価

5.0
記録用
美しさと暴力を織り交ぜながら圧倒的に圧縮された密度の映像美で紡がれる幻想的一大残酷叙事詩。
現実も空想も同質に蕩けたフィクショナルな精神世界のファンタジー。
少女が想像することの煌めきは注意して全てを飲み込んでいく。
夢と喜びによって世界の秩序を変え得ることの証明。

頭を切開する手術を人形のコマ撮りで表現したシーンがめちゃくちゃ良くて何度か繰り返し観ました。
うめ

うめの感想・評価

3.8
落ちたから堕ちるのか…
堕ちたから落ちるのか…

生きる意味を見失ったロイ。
病床にいる彼を慕う少女アレクサンドリア。
せがまれ語る物語。
それは夢なのか?現なのか?
混ざり合う王国。
それだけが、彼を世界に繋ぎとめる。
細く頼りない糸であっても…

デルトロとも
ウェス・アンダーソンとも
ジュネとも
似ているようで違う。
何とも言えない世界観。
最初のクレジットでデビット・フィンチャーとスパイク・ジョーンズの名前が出てきましたが、なるほど。
ほんの少しの隠し味になっている気はします。

数々の世界遺産で撮影された映像。
やはり、歴史が積み重なった建物や自然の持つ荘厳さと説得力はものすごい。
石岡瑛子さんの衣装というのも嬉しい限り。

最後に放たれる監督の思い。
ファンタジーな雰囲気を壊す事なく、炸裂する映画そのものへの愛。
役者だけじゃない。
スタッフだけでもない。
関わる人達、みんなの力で作品は出来ている。
もちろん、映画を作ってきた先人達への感謝もあるだろう。

ありがとう。
皆さんのお陰で、
ワクワクしたり
涙を流したり
怒ったり
今までたくさんの楽しい瞬間を味わえました。
映画が、私に与えてくれるもの。
プライスレスです(*^ω^*)
まさみ

まさみの感想・評価

3.3
映像美、あと女の子の可愛い
もうだいぶ前に観たのですが
再見しました。

それは、最近観た
『キートンの恋愛三代記』の
オマージュシーンがあるようなので。
(すっかり覚えてない…)

久しぶりに観てもう一度感動しました!
やはり良い作品ですね。



時代は20世紀の始めぐらいなのかな。

スタント俳優をしていて
橋から落下し、足が不自由になってしまった青年ロイと
みかん畑でハシゴから落下し腕を骨折してしまった5歳なアレクサンドリア。
病院内で2人は仲良くなり
ロイはある思惑もありアレクサンドリアに
自作の壮大な叙事詩を語りはじめます。

1つ1つがとても印象に残るシーン、
それは青い海だったり
緑奥深い山の中だったり
迷路のような建造物だったり
叙事詩に登場する人物は
現実世界の人物と重なってます。

そして独創的な衣装は
もう他界されてますが
石岡瑛子さんです。
本当、残念。
まだまだ作品が見たかった…

現実に絶望しているロイの叙事詩は
段々と悲しい結末になっていきますが…




キートンのオマージュの前に
クエイ兄弟のオマージュを発見し
小躍りしてしまいました!
そしてラストのサイレン映画の数々。
キートンの恋愛三代記だけではなく
文化生活一週間や
チャップリン、ハロルド・ロイドなど
クラッシックコメディのオンパレードで
大感激!
クラコメ好きな方に1つ1つ作品を
聞いていきたい!


そうして2回目観てまた違った
感動を味わった訳です。
Naoko

Naokoの感想・評価

4.5
前衛的で難しいのかしらと薄目で見てたら、めっちゃおもしろい映画だった。美しい映像と登場人物が自身の物語を語る構成から「ライフオブパイ」を連想。
アレクサンドリアもロイもなかなかしんどい状況ではあるが、回りがいい人たちなのでそれだけで和む。カーテンで囲ったベッドの上の温かで親密な雰囲気。アレクサンドリアちゃん本当に愛くるしい。物語にはくっきりと語り手が投影されるが、話して聞かせることによって聞き手の息遣いも混じっていく。これはふたりの物語だとアレクサンドリアが訴えるように、彼女の希望や生命力が物語に流れ込んで、ロイが変容する様は実に美しい。そんな話し手と聞き手の相互作用を堪能する一方で、ため息をつくような精緻な映像が、世界遺産を舞台に繰り広げられる。鑑賞後は、なんとはなしに人間と世界と神のこと、思いを巡らせております。
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