落下の王国の作品情報・感想・評価

「落下の王国」に投稿された感想・評価

ちろる

ちろるの感想・評価

5.0
ファンタジー系の作品の中では一番好きな作品です!

ターセム監督の描く壮大な空想の世界、石岡瑛子さんの素晴らしい衣装。
素晴らしい。。。。

ストーリーは病院の中にいる青年ロイが同じく入院中の移民の少女アレクサンドリアに語る空想の物語を軸に展開されていく。

異国が混じり合う、時代も混同された美しい映像は、少女の頭の中で実際に逢った人間で演じられ、壮大なロールプレイングゲームのごとく進められていく。

アレクサンドリアはロイの作り出す物語にどんどんと引き込まれ、病院生活の中の唯一の楽しみとなってしまうのだが、ロイの目的は彼女を楽しませる為ではなかった。

失望や悲しみはそう簡単に彼自身に生きる喜びを戻してくれず、ロイの空想の物語は次々と絶望の方向へ行ってしまう。

彼の中で渦巻く自殺願望の手段が、皮肉にも少女からの無償の愛情を得る事になり、やがてロイの物語自体を救っていく救世主となる。

どのシーンを切り取っても額に入れて飾りたくなってしまう美しさ。
場合によっては子供っぽいファンタジーになりがちな映像がここまで芸術的な映像美で仕上がる事にはただただ脱帽。

映像の素晴らしさがどうしてもクローズアップされがちだがストーリーも、そしてアレクサンドリアの役をやった少女の演技の何とも愛らしい事!
演技だとはとても思えない片言話し方や、喜怒哀楽の表情は、それだけで目が離せなくさせてくれる。

映画を観ているだけなのに少女と同じように、不思議な魔法にかかったようにしばらくこの映画の事が離れない作品でした。
映像美すごい。今はCGばっかでこういう映画はもう作られないでしょうね。石岡瑛子さんの衣装かっこいいです。特に黒山賊のノースリーブ!
おとぎ話の画面構成は計算されてるのに、病院でのロイとアレクサンドリアは自由で演技だかよくわかんないやりとりが良かった。聞き間違えて2回答えるところとか。
アレクサンドリアちゃんとにかくかわいい!ロイのこと大好きなのね!小さな黒山賊の衣装で出てきてロイを助けた所は泣けた。ロイが生きる希望を持ててよかったね!
Miki

Mikiの感想・評価

3.5
映像がどこを切り取っても綺麗
見てて飽きないけど、わたしの頭では理解できないストーリーだった...

このレビューはネタバレを含みます

Twitterで評判を見て借りてきたのだけど、期待しすぎた感はある。
がっかりという程じゃないけど『ベッドタイムストーリー』だと思って観てたら実は『パンズラビリンス』だったって感じ。
映像は確かに綺麗だしこれがCG無しっていうならそれは凄い。
けど、パッケージ詐欺感。(笑)
最後にはアレクサンドリアの中ではハッピーエンド(ロイはまたスタントマンとして活躍し、映画の中で出会える(と思っている))、ロイはひたすらにバッドエンド(不随は治らず、アレクサンドリアが観ている映画は過去の出演作。その上怪我の原因のシーンは全カットされた)に見えたので(観客の気持ちとロイの運命が)落ちていくところが“FALL”なのだろうか。(いや、多分スタントの話だろうけど)
テンポに違和感を感じて調べたところインド、イギリス、アメリカ合作、と聞いて少し納得がいった。
テンポ、ストーリーの矛盾、見せ方、減点すべき点はあまり無いのに何故か良い点を付けたくない気になるのは私がハピエン厨だからかな?(笑)
あとは前述の通り、ベッドタイムストーリーだと思って観始めたから「えっ??あれっ??」ってなっちゃったせいだ。(笑)
「鬱気味映画、映像を楽しむ映画」と最初から覚悟して観るとまた違うかも。
016

016の感想・評価

3.8
奇妙な関係
ロケーションがすごい!ファンタジーなのにCGに頼らずにやりきっている熱意に脱帽。
構図も、ワンカットワンカットすべて計りで計ってそうなくらいで、精密。
シナリオは感性豊かで好き嫌い別れそうなところを、絵作りが逆にガチガチの計算式で、どこ突かれても備えてる感じが、補い合ってると感じました。
シナリオまあまあって評価の人でも絵は評価せざるを得ないと思います。
衣装が独特で、間抜けさのすんでを低空飛行してました(笑)
ノースリーブ山賊万歳!
いや、凄い。
これまで観た映画の中で間違いなく最高の部類に入るんだけど、他の"最高"の映画と全然ちがう。すごい。
何がすごいって、まずは映像。幻想風景が鮮やかに迫ってくる衝撃。身体や自然の美しさが、そのまま映すのではなく演出として描き出される。
人種も国籍も出自もバラバラの登場人物が繰り広げる冒険譚。空想の産物ではなく、実際に身の回りにいる人物をモチーフにした作り話なので、現実とオーバーラップして区別がつかなくなる…。

子どもに物語るお話。子どもにせがまれて、柔軟に展開を変えるおとぎ話。
語り手は行き当たりばったりに話を作るけれど、聞き手である子どもの眼前には物語世界がリアルな色彩を帯びて迫ってくる。
物語で救われることが現実の救いになることもある。重要なのは、自分自身の可能性を信じることと自分以上に自分を信じ愛してくれる者の存在だ。
刷り込みのように無防備に子どもはなつくけれど、その無邪気な信頼と期待が救いになることもあるって話。ハッピー・エンドでなくても、幸運な日々を祈る。
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