チッコーネ

嫌われ松子の一生のチッコーネのレビュー・感想・評価

嫌われ松子の一生(2006年製作の映画)
3.5
演技しているわけでもない木村カエラが大写しになるオープニング、「アメリシンドローム」とでも呼べそうな加工編集とシュール演出が続く前半で、早速食傷気味に。
しかし観進める連れ、実は幸薄いミスフィッツの半生と、その成れの果てにある孤独死という陰鬱なテーマを、何とか商業ベースに乗せようという意図が垣間見れたので、鑑賞は続行。
中盤の「おんなの堕落」は個人的に好きなテーマゆえ集中力も高まり、さらに黒沢あすかの見事な芝居ぶりに瞠目。
40年という歳月を推移する中で、国内の新旧カルチャーを写し出していくデティール、そしてミュージカル要素の挿入も自然で楽しい。
果たして原作をどれだけ換骨堕胎した映像化だったのかにも、興味が湧いた。