中谷美紀の怪演と悲しい女の物語という印象が強かったが、年をかさねて観ると全然違ったじゃん(恥ず…)。
中島監督の映画はドラッグ性が強い。ベロベロに酔っぱらった後に呑む、珈琲のように官能的な香りと深い味わいがある。真っ直ぐ筋が通っているのに、危うくて賑やかでまるでカオス。でも反芻したくなる。まさにドラッグ。どうしようもなく救われない松子をカラフルな色彩や演出、歌を纏わせてずっと応援しているから驚かされる。ラストと階段はじーんとした。自分の最後はどんな事を思うのだろうと。
たまらなく好きな映画だったことに気づく。とてもいい日だ。
一緒に観た娘は「松子は気づいていなかったけど愛されてたってことでしょ?」なんて大人びた事を言う。なんて可愛い奴だ。これからどんな色恋を重ねて、彼女の感想がどうかわっていくかな…と秘かな楽しみ(#^.^#)
『ただいま』
『おかえり』
優しい言葉なあとしみじみ思う。色んなただいまがある。辛いこと、悲しいこと悔しいこと、言えないこと、包み隠してただいまを言う。それをそっと受け止めてくれる大事な誰かがいる。この上なく幸せなこと。大好きな誰かならなおさらいい。
そんな幸せをずっと追い続けてきたのが松子。ただそれだけ。道を違えることはあるけど、愛することをやめなかった人。松子は愛の人だったから。
映画は時季を選んでやってくる。
その人の置かれた立場や環境、感情に寄り添うように。
無意識に選んでいるようで、それはまるで運命かのように。
私を優しく包んでくれる。。。
『人間の価値は誰かに何かをしてあげられること』
それは究極の愛。
ただね…。
満点にしたいくらい完璧なんだけど、真剣に愛する人や愛しすぎる人がダメみたいな風潮はいただけないな(笑)傷つけられたり不幸になりがちなのもやだよー。
そんな愛があるから思いっきり羽ばたけるんだよ。男子諸君(・ω・)ノ