ひゅうどんこ

嫌われ松子の一生のひゅうどんこのレビュー・感想・評価

嫌われ松子の一生(2006年製作の映画)
3.7
 原作となった小説にはモデルとなった実際の事件が存在するとの情報も流れてますが、原作者の山田宗樹は、、タイトルすら覚えてないが書店で手にしたある女性の手記からヒントを得て松子を作った、、と公けのインタビューで答えており、フィクションでございましょう。

 原作小説/映画/TVドラマ/舞台劇と、味わい方の選択肢色々ですが、映画バージョンが最もポップで衝撃的で余韻が残る造りなんではなかろうかと思われます。

 近年再評価されつつあるミュージカル要素がまとまりあるVFXとともにふんだんに盛り込まれ、『西鶴一代女』や『おしん』にも通じる翻弄されるオンナのストーリーであることから、公開されなかった海外でも知られてるようですね。
アメリカの映画ファンサイト『Taste of Cinema』の2017年の記事「10 Great Movies From The 21st Century You May Have Missed」(≒見逃したかもしれない21世紀最高の映画10傑)では、1位にランクされてます。
完成までに産みの苦しみは様々なところに出たようですが、公開から10年以上経っても海外で高い評価を受けているのは、それだけ完成度が高いからでしょう。キャストのみならず、関係スタッフもいい仕事して認められている訳ですから、鼻が高いでしょうね。

 監督中島哲也は福岡県出身。
主人公川尻松子の実家も福岡県。
名前に県内の地名を付けられた重要な人物が登場する。
山田宗樹が小説『嫌われ松子の一生』を書いている最中に勤めてた製薬会社を辞めて移住した先が奥様の実家のある福岡県。
そして、何となく太宰府天満宮の飛梅伝説を想起させるような、松子が蝶となって実家に還るシーン。
無意識にオマージュやリスペクトも含まれるてるんじゃないかな福岡県、と思うのは私だけでしょうか。